ひとりぼっちの二人だが

映画「ひとりぼっちの二人だが」

1962年に公開された日活映画「ひとりぼっちの二人だが」は、吉永小百合を主演に迎え、青春と音楽が融合した作品です。舛田利雄が監督を務め、永六輔が作詞した主題歌も話題となりました。

あらすじ

物語は、小さな舞台で歌舞伎「紅葉狩」を踊るユキから始まります。孤児であり、芸者家で育てられたユキは、悲しい「水揚げ」を目前にしていました。その直前に逃げ出したユキは、連れ戻されそうになったところを三郎たちに助けられ、ストリップ劇場に逃げ込みます。そこでユキは、小学校の同級生である浅草九太と再会を果たします。

一方、ユキを連れ戻そうとする芸者家の女将・岩下キクは、内海率いるヤクザに協力を依頼します。ユキを助けた三郎は、ヤクザの下部組織にいた過去から、暴行を受けてしまいます。また、ユキの兄である英二はプロボクサーとして試合に臨んでいましたが、ヤクザからユキを助けたければ八百長をするように脅迫されます。さらに、キクの娘であるトモコが、英二は実の兄ではなく、キクに恋心を抱いているという事実を告げます。

試合当日、トモコたちはユキが上野駅から逃亡することを英二に伝えます。英二は試合に勝利しますが、ヤクザたちの前に引きずり出されます。しかし、もとは貧しい育ちでチンピラになった仲間たちは、三郎を殴るのをためらいます。物語の中では、坂本九による華やかなミュージカルシーンも展開されます。最終的に、刑事の佐藤が現れ、ヤクザたちは逮捕されます。

劇中では、ボクシングの試合中継中にニチボーのテロップCMが流れるという、当時の貴重な映像も含まれています。

スタッフ

企画: 水の江滝子
監督: 舛田利雄
助監督: 江崎実生
脚本: 熊井啓、江崎実生
撮影: 横山実
音楽: 中村八大
主題歌: 永六輔
美術: 千葉和彦

キャスト

田島ユキ: 吉永小百合
杉山三郎: 浜田光夫
浅草九太: 坂本九
田島英二: 高橋英樹
岩下トモコ: 渡辺トモコ
岩下きく: 楠田薫
吉野: 松本染升
武田: 内田良平
内海: 小池朝雄
佐藤刑事: 高品格
舞台監督・小林: 木島一郎

作品の魅力

「ひとりぼっちの二人だが」は、当時の社会状況を背景に、若者たちの葛藤や成長を描いた作品です。吉永小百合の若々しい演技、浜田光夫の男らしさ、坂本九の歌声、高橋英樹の熱演など、出演者の魅力が存分に引き出されています。また、ミュージカルシーンやアクションシーンなど、見どころも満載です。

外部リンク

ひとりぼっちの二人だが - KINENOTE

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