ひびき (フェリー)

ひびきの概要

ひびきは、阪九フェリーが運航する大型フェリーで、2013年に発注され、三菱重工業で建造されました。2014年11月25日には進水し、進水式では2014年度ミス・ユニバース日本代表の辻恵子さんにより支綱切断が行われました。そして2015年4月16日に竣工し、同年の4月21日から新門司と泉大津を結ぶ航路に就航しました。

このフェリーは、車両搭載能力を大幅に増強しつつ、省エネ技術を導入することで燃費を20%以上効率化したことが評価されています。これにより、日本船舶海洋工学会が選定するシップ・オブ・ザ・イヤー 2015を、姉妹船の「いずみ」とともに受賞しています。

設計について

ひびきは、瀬戸内海航路において最大級のフェリーとされています。従来の船体より約3.2メートル幅を拡大し、車両積載区画のレーン数を増加させることで、積載能力が約20%向上しました。さらに、さまざまな省エネ技術を駆使し、燃費を最大で30%向上させることに成功し、運航コストの削減と環境への負荷低減に寄与する設計となっています。

特筆すべきは、国内フェリーでは初のデュアルハイブリッド推進システムを採用している点です。これは、主機に接続された電動機兼用の軸発電機を利用し、状況に応じて推進モードおよび給電モードを選択することで、主機関を高効率で運転し、運航にかかるエネルギーを減少させるシステムです。そのほかにも船底から空気を噴出し、気泡を生成して船体の抵抗を減少させる三菱空気潤滑システム（MALS）や、バトックフロー船尾船型の採用、主機の排熱を回収する装置の導入などが行われています。

船内の設計

ひびきの船内は「わのこころ」というテーマでデザインされています。このコンセプトは、日本の伝統的な心を大切にし、旅客に対して快適で和やかな空間を提供することを目指しています。

船室

船室に関しては、個室の需要に応えるためにデラックスやスイートルームを多数用意しています。また、一部には身体障害者専用の部屋やレディース専用の禁煙室も設定されています。スタンダードの大部屋には個人用のロッカーと電源コンセントが装備され、スタンダード洋室の2段ベッドは高齢者や子どもの利用を考慮して、はしごが階段に変更されています。

船内設備

船内のパブリックスペースには、案内所やロビー、プロムナード、展望ルーム、展望デッキなど、多彩な施設が整っています。特にファミリー向けのキッズルームや授乳室も完備され、喫煙ルームも設けられています。食事や物販の設備としては、売店やレストランのほか、娯楽施設としてカラオケルームが備わっています。

入浴設備についても、大浴場や露天風呂、シャワールームが用意され、旅客の快適な移動時間をサポートする設計となっています。


そのほか、航路情報や船舶の詳細は阪九フェリーの公式サイトやMarineTraffic.comで確認することができます。

もう一度検索