ひまわり5号

ひまわり5号（GMS-5）について

ひまわり5号（GMS-5）は、日本の宇宙開発事業団が1995年に打ち上げた静止気象衛星です。この衛星は、日本電気によって開発および製造され、地球大気の観測と世界気象機関の地球大気開発計画（GARP）に貢献しています。

打ち上げの歴史

衛星は、1995年3月18日に種子島宇宙センターからH-IIロケット3号機によって打ち上げられました。この時、フリーフライヤ（SFU）と同時に打ち上げられ、気象の観測を開始するための重要なステップが踏まれました。

目的と機能

ひまわり5号の主な目的は、従来の「ひまわり」シリーズ同様、地球の大気や地面、海面の状態を観測し、台風や低気圧の発生およびその動きを記録することです。さらに、観測データを配信するシステムや、ブイ、船舶、離島観測所からの気象観測データの収集も行っていました。また、遭難信号を中継し、捜索救難活動に役立てる実験も目的の一つでした。

運用状況

1995年6月21日からは気象庁により運用され、地上へ観測データを送信しました。データは処理された後、画像として利用者に配信されました。日本の衛星としてこの衛星には水蒸気の観測センサーが搭載されており、他国の衛星との差別化が図られています。基本的な運用形態は、GMS-3以降と大きな変化はなく、春分と秋分の時期には衛星食が発生することから観測が中断されることもありました。しかし、大きな故障もなく安定した運用が続けられました。

元々ひまわり5号は設計寿命を5年としていましたが、後継機の打ち上げが失敗したことにより、8年間もの運用が続けられました。2003年5月22日には待機モードに移行し、その後は米国の気象衛星「GOES-9」による代替運用が行われました。ひまわり6号の運用が開始される2005年6月28日までは、GOES-9によるデータ配信が続きました。最終的には2005年7月21日に運用が終了しました。

衛星画像利用者への影響

MTSATの打ち上げ失敗を受け、GMS-5が中継能力に障害が出た場合に備えて、他国の気象機関ではGOESのGVAR情報を受信するための設備をレンタルするなどの対応が行われました。日本では、気象衛星センター内に受信装置を設置し、2003年4月からGOESのGVAR画像の受信を始めました。これにより、地球シミュレーターを活用して画像フォーマットを変換し、GMS-5経由でユーザーへ配信しました。近隣の国々でも受信装置をレンタルし、運用を行いましたが、画像の品質には問題が生じ、観測情報の統計処理は行われませんでした。

関連項目

• - ひまわり（気象衛星）
• - H-IIロケット
• - 宇宙開発
• - 人工衛星の軌道

ひまわり5号は日本の気象衛星として貴重な役割を果たし、気象データの収集と配信に大きく寄与しました。

もう一度検索