ひらり (テレビドラマ)

NHK連続テレビ小説『ひらり』

『ひらり』は、1992年10月5日から1993年4月3日まで放送されたNHKの連続テレビ小説第48作です。このドラマは、東京・両国を舞台に、相撲に情熱を注ぐ若い女性、薮沢ひらり（演：石田ひかり）と彼女を取り巻く人々との交流や恋愛模様を描いています。

概要

物語は簿記専門学校に通う20歳のひらりの成長を中心に展開します。父方の祖父、小三郎と相撲好きのひらりが、地元の相撲部屋『梅若部屋』の朝稽古に足繁く通うことから始まる彼女の夢は、相撲に関わる仕事をすることです。しかし、相撲の世界は女人禁制のため、専門学校を退学した後、仕事探しに苦労します。一方、姉のみのり（演：鍵本景子）は、OLとして働くも、結婚に対する焦りを感じて、ひらりとの対立が生まれる場面が描かれています。

このドラマの脚本は、後に横綱審議委員会の委員も務めた内館牧子が担当しました。ひらりと対照的な性格の姉との恋の駆け引きや、怒鳴り合いながらも成長していく主人公の葛藤が、内館作品ならではの巧妙な人間模様として展開されます。また、主題歌にはDREAMS COME TRUEの「晴れたらいいね」が使用され、歌詞入りの主題歌は連続テレビ小説において第32作『ロマンス』以来の新たな試みとなりました。

人気の要因

当時の視聴率は注目に値し、平均視聴率は36.9%を記録し、最高視聴率は42.9%に達しました。この高視聴率は、また若貴ブームの影響を受けたことも大きな要因です。

あらすじ

物語は、早朝にひらりが相撲部屋の朝稽古を見学することからスタートします。彼女の夢は相撲に関わることであり、様々なバイトをしながら試練を乗り越えていきます。新たに赴任してきた大学病院の医師、安藤竜太（演：渡辺いっけい）との出会いや、恋愛が進展することで、ひらりはことさら成長していきます。

しかし、姉のみのりは、竜太との関係に自分の恋心を重ね苦悩し、二人の間で恋のバトルが繰り広げられます。ひらりは後に栄養士として力士たちの健康を支える役割を担うようになり、相撲部屋の生活を豊かに彩る存在となります。

最終話では、竜太が任期を終え、大学病院に戻る際にひらりの気持ちに応える形で去って行きますが、彼女はそれでも自分の道を歩み続ける決意を固めます。ひらりの成長の過程や家族の再生も描かれ、視聴者の心を捉える感動的な物語としての評価を受けました。

登場人物

• - 藪沢ひらり（演：石田ひかり）: 相撲に情熱を注ぐ主人公で、積極的な性格を持つ彼女。
• - 藪沢みのり（演：鍵本景子）: 消極的なOLで、ひらりの恋のライバル。
• - 安藤竜太（演：渡辺いっけい）: 医師としてひらりの前に現れる重要な人物。

このように『ひらり』は、相撲を背景にした家族愛や恋愛模様を描き出した作品であり、当時の社会情勢や相撲の人気を反映した名作として語り継がれています。

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