びわこ京阪奈線

びわこ京阪奈線：滋賀と京都を結ぶ鉄道構想

びわこ京阪奈線は、滋賀県米原市と京都府京田辺市を結ぶ、全長約92kmの鉄道建設構想です。この計画は、近江鉄道本線と信楽高原鐵道信楽線を改良し、新たに信楽駅から京田辺駅までを結ぶ新線を建設することで、滋賀県湖東地域と京都府南部、そして大阪市中心部を直結することを目指しています。

構想の背景と目的

この構想は、昭和62年に廃止された鉄道敷設法の別表に記されていた「滋賀縣貴生川ヨリ京都府加茂ニ至ル鐡道」を基に発展したものです。しかし、当初の計画では建設されなかった信楽～加茂間の代替として、かつては西日本ジェイアールバス近城線が運行されていました。

びわこ京阪奈線の建設は、滋賀県側の関係自治体にとって、地域経済の活性化、地域振興、そして大阪湾ベイエリアとの交流強化が期待できる重要なプロジェクトです。さらに、東海道本線の混雑緩和にも貢献するバイパス機能も期待されています。

一方、京都府側の自治体からは、この計画に対しては消極的な意見も聞かれます。しかし、鉄道のない宇治田原町では、町外への交通手段が限られているため、住民から鉄道建設への要望も少なくありません。

路線概要

区間: 米原駅 - 京田辺駅

駅数: 未定

路線距離: 約91.8km

この路線は、既存の[近江鉄道本線]と信楽高原鐵道信楽線(貴生川～信楽間、約14.7km、6駅)の改良と、新たに建設される信楽～京田辺間(約29.4km、駅数未定)の新線で構成されます。

軌間: 1,067mm

複線・電化: 未定

閉塞方式: 未定

経緯と現状

びわこ京阪奈線の構想は、平成元年7月の「湖東・大阪線（仮称）鉄道建設期成同盟会」設立に始まります。その後、ルート調査、需要予測調査、事業化可能性調査などが実施され、平成7年には「びわこ京阪奈線（仮称）鉄道建設期成同盟会」と名称変更されました。平成16年には近畿地方交通審議会で検討対象とされたものの、最終的な答申には盛り込まれませんでした。

現在も、実現に向けた様々な取り組みが続けられています。しかし、莫大な建設費用や、沿線自治体間の意見調整など、多くの課題が残されています。

関連道路

びわこ京阪奈線は、国道307号や名神名阪連絡道路など既存の交通インフラと連携することで、地域全体の交通網の強化に大きく貢献することが期待されています。

今後の展望

びわこ京阪奈線の建設は、依然として多くの課題を抱えています。しかし、地域活性化への期待は大きく、実現に向けて関係者間の協議や、より詳細な調査・検討が続けられています。今後の動向に注目が集まっています。

参考文献

びわこ京阪奈線（仮称）鉄道構想／滋賀県
もうすぐ？未来鉄道：関西圏（北東部） - 未来鉄道データベース
恵 知仁 (2014年8月26日). “建設運動続く「びわこ京阪奈線」　実現可能性は”. 乗りものニュース. メディア・ヴァーグ. 2023年3月30日閲覧。
“廃線と廃車、近江鉄道が抱える2つの危機”. ITmedia ビジネスオンライン. 杉山淳一の「週刊鉄道経済」. ITmedia. p. 3 (2018年3月2日). 2023年3月30日閲覧。

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