ふぁみこんむかし話 新・鬼ヶ島

ふぁみこんむかし話 新・鬼ヶ島

『ふぁみこんむかし話 新・鬼ヶ島』は、任天堂がファミリーコンピュータ ディスクシステム用として発売したアドベンチャーゲームです。パックスソフトニカと任天堂が共同で開発しました。

概要

1987年に前編・後編の2部構成で発売され、宮本茂氏が監修、菱田達也氏が脚本・演出を手がけました。近藤浩治氏による音楽も、ゲームの雰囲気を盛り上げています。本作は任天堂初のテキストアドベンチャーゲームであり、初の2枚組ディスクカードソフトとしても話題になりました。

日本の昔話（桃太郎、かぐや姫など）をベースにした親しみやすい世界観で、子供から大人まで楽しめる作品です。当時、SFや推理ものが多かったアドベンチャーゲームの中で、昔話の優しい語り口で描かれる冒険は新鮮でした。ディスクシステムの特性を活かし、前編・後編に分けることで、大ボリュームの物語を実現しています。

ゲームシステム

画面に表示されるコマンドを選び、主人公を操作して物語を進めます。選択を誤るとゲームオーバーになることもあります。「はなす」「みる」「いどう」といった基本的なコマンドに加え、主人公の男の子と女の子を切り替える「ひとかえる」コマンドが特徴的です。これにより、2人の視点から物語を同時進行させたり、それぞれの能力を活かした行動を取らせたりすることができます。

ディスクからのデータロードは章単位で行われ、快適なゲームプレイが可能です。

物語

一章

長串村に住むおじいさんとおばあさんは、子供を授かるというお告げを受けます。おじいさんが山で光る竹を見つけると、中から可愛い女の子が。おばあさんが川で拾ったおわんからは、元気な男の子が現れます。2人は子供たちを大切に育てることにしました。

二章

8歳になった子供たちは、鶴のおつうさんが置いていった反物を持って、隣村へお使いに出かけます。雪女に邪魔されたり、ねずみから雪女対策の鏡をもらったりと、様々な出来事が起こります。隣村の一体さんから、都に竜が出現し、人間を鬼に変えているという不吉な話を聞かされます。その夜、子供たちは自分たちが普通の子供ではなく、おわんと竹筒から生まれたことを知ります。川上へ向かうと、腕輪と首飾りを授けられ、鬼に襲われたおじいさんとおばあさんを助けるため、鬼の砦へ向かう決意をするのでした。

三章

鬼の砦を目指す2人は、途中で様々な道具を手に入れます。丸太で崖に橋をかけたり、温泉を噴き出させて鬼を退散させたりと、知恵と勇気を振り絞ります。女の子が砦に潜入し、銅鐸を取り戻そうとしますが、天狗に邪魔されたり、鬼に追い詰められたりと、ピンチの連続です。最後は男の子が砦を爆破し、鬼を倒しますが、おじいさんたちの魂は鬼ヶ島に送られたことを知ります。

四章

鬼ヶ島へ向かう途中、隣村が湖に沈んでいるのを発見します。そこで出会った漁師から、竜に関する伝説を聞かされます。男の子は湖に潜り、竜の宮を治める「ひのえ」から、竜を封じる使命を託されます。しかし、女の子が何者かにさらわれてしまい、男の子は犬のりんごと共に、都へ向かうことになります。

登場人物

男の子（どんべ）: おわんから生まれた力持ちの少年。FC版の取扱説明書では「もものたろう」という名前。
女の子（ひかり）: 竹から生まれた賢い少女。FC版の取扱説明書では「かぐやひめこ」という名前。
おじいさん・おばあさん: 2人の育ての親。
りんご: 犬。男の子と旅をする。
まつのすけ: 猿。一行に加わる。
おはな: キジ。鬼ヶ島へ運ぶ。
いったい: 語り部。
金太郎: 謎の少年。主人公たちを導く。
天狗: 鬼の砦にいる天狗。
ひのえさま: 神のような存在。
鬼: 人間の魂を奪う怪物。
暗黒の化身: 邪悪な魔物。
乙姫: 伝説の人物。玉手箱に暗黒の化身を封じ込めた。

移植版

スーパーファミコン版
ゲームボーイアドバンス版
Wii版
3DS版
Wii U版

様々な機種に移植されており、多くの人に親しまれています。

音楽

数多くのサウンドトラックが発売されており、ゲーム音楽ファンからも高い評価を得ています。

評価

ゲーム誌で高い評価を受け、ディスクシステムの名作として知られています。特に、オリジナリティ、熱中度、音楽などが評価されています。

『ふぁみこんむかし話 新・鬼ヶ島』は、昔話をモチーフにした親しみやすい世界観と、魅力的なキャラクターたちが織りなす冒険が楽しめる、不朽の名作アドベンチャーゲームです。

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