ふうちょう座

ふうちょう座（Apus）

ふうちょう座は、近代の88星座に該当する星座の一つであり、その名はラテン語で「鳥」を意味する「Avus」からきています。これは「極楽鳥」としても知られるフウチョウをモチーフにしています。16世紀末に提唱されたこの星座は、天の南極近くに位置し、日本国内の島からはその姿を観察することができません。しかし、沖ノ鳥島ではその一部を目視することができるという特異な存在です。

主な天体

ふうちょう座にはいくつかの恒星が存在し、その中でも特に注目されるのが

• - HD 137388：国際天文学連合（IAU）によって命名権が与えられた恒星であり、主星は「Karaka」、外惑星は「Kererū」と名付けられています。
• - α星：見かけの明るさが約3.798等の4等星で、ふうちょう座内で最も明るく輝きます。
• - θ星：半規則型の脈動変光星で、明るさは4.58等から5.34等の振幅で変動します。
• - ζ星：見かけの明るさが4.78等の5等星で、沖ノ鳥島からは約3°未満の高さで見えることができます。

また、ふうちょう座には球状星団の「NGC 6101」があり、これはアマチュア天文家に長年観測されている対象です。

由来と歴史

ふうちょう座の起源は、1598年にフランドル出身の天文学者ペトルス・プランシウスによって示されたもので、彼はオランダの航海士たちの観測データに基づいてこの星座を描きました。実際には、彼の構想を助けた天文学者ヨドクス・ホンディウスの協力もあったため、複数の天文学者の知見が組み合わさっています。ここで描かれた「フウチョウ」は、当時の西洋には生きたまま持ち込むことができなかったため、翼と脚がもがれた状態で紹介され、長い間、風に乗った鳥であると誤解されていました。

星座の名称に関しては、プランシウスが製作した天球儀の中でオランダ語とラテン語を用いて「極楽鳥」と名付けていましたが、誤って「インドの蜜蜂」を意味する語が使われるケースが続出しました。これにより、17世紀初頭にまで誤った名が広がることになります。この混乱は、後の天文学者たちにも影響を与えましたが、1627年にヨハネス・ケプラーが正しく「Apus, Avis Indica」と名付けた後、再び正確な名称が使われるようになりました。

現代の星座名は1922年にローマでのIAUの設立総会で正式に定められ、現在の呼び名が確立されました。興味深いことに、ふうちょう座には特に神話や伝説は存在せず、それ自体が新たに作られた星座です。

関連事項

ふうちょう座のδ星・π1星・π2星などは、かつてはほかの星座に属していた名残があります。また、中国ではこの領域は歴代の王朝から見えない場所にあり、従って古代の中国天文学においては特に言及されることはありませんでした。近代になって初めて西洋の影響を受け壺に記録されました。

日本におけるふうちょう座の訳名は過去に様々な変更があり、戦後には「ふうちょう」と定められ、現在に至っています。

このように、ふうちょう座はその複雑な由来と歴史を持ちながらも、私たちにとって星空の中の一つの興味深い存在として位置づけられています。

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