ふくおかにリンク

テレビ西日本（TNC）で放送された福岡県の行政広報番組『ふくおかにリンク』は、2013年4月より2年間、福岡県内の視聴者に向けて県の様々な情報や取り組みを発信しました。

番組開始の背景

TNCでは、長年にわたり福岡県の広報番組を放送してきました。特に、日曜朝の時間帯では『ふれ愛・ふくおか県』や、2007年度から始まった『フレッシュ!ふくおか県』などが放送されていました。2013年度に福岡県の行財政改革に伴い、県政広報テレビ番組全体の抜本的な見直しが行われる中で、TNCの放送枠は唯一維持されることになりました。しかし、前番組から6年が経過していたため、内容の刷新が求められることとなり、新たなコンセプトのもと『ふくおかにリンク』が誕生しました。

番組コンセプトと出演者

番組の刷新にあたり、当時福岡市を拠点に活動しており、番組開始と同じ2013年4月にメジャーデビューを果たしたローカルアイドルグループ「LinQ」（リンク）が主役として起用されました。これは、従来の広報番組では十分に届きにくかった若年層を含む、より幅広い世代に福岡県の魅力を伝えることを意図したものです。

『ふくおかにリンク』では、「LinQ」のメンバーが毎回2名ずつ出演しました。彼女たちは、若者の視点から福岡県内の様々な場所を訪れたり、県の施策を紹介したりするなど、多岐にわたるテーマで県政を分かりやすくPRしました。LinQ側は、番組開始当初からメンバー全員がローテーションで出演する方針を公表しており、結果として番組が終了するまでの2年間で延べ30名ものメンバーが出演しました。番組開始にあたっては記者会見も開かれ、LinQからは原直子、岸田麻佑、松村くるみ、杉本ゆさの4名が出席し、番組への意気込みを語っています。

制作体制とインターネット公開

本番組の企画は、福岡県総務部県民情報広報課が担当しました。しかし、実際の番組制作はTNCの子会社であるビデオステーション・キュー（VSQ）が一括して請け負い、TNC自体は放送のみを行うという体制がとられました。これは、同時期に刷新された他の県政広報番組（九州朝日放送『ふくおか暮らしにプラス』、福岡放送『ふくおか新発見』）とも共通する制作体制です。

このような制作体制がとられた主な理由の一つに、著作権関係を明確に整理し、福岡県が運営するインターネットサイト「ふくおかインターネットテレビ」での番組公開を容易にすることがありました。実際、『ふくおかにリンク』の放送内容は、県のウェブサイトでも公開されていました。ただし、サイトで公開されるのは原則として直近1年あまりの放送分であり、それ以前のものは順次削除される運用でした。入力情報によれば、本番組は2016年3月頃まではサイト上で視聴可能であったとされています。

番組のナレーションは、パインズ所属の千佳が担当しました。

放送日時と番組の終了

『ふくおかにリンク』は、毎週日曜日の午前8時55分から午前9時までの5分間放送されました。この放送時間は、TNCで長年県政広報番組が放送されてきた枠を引き継いだものです。

本番組は、北九州市の広報番組と同様に、当初から2年間の放送期間が定められていたと見られています。そして、その定められた期間の終了に伴い、2015年3月29日の放送をもって終了しました。TNCの日曜朝の県政広報番組枠は、その後RKB毎日放送へと移動し、よしもとCA福岡の高田課長らを加えた新たな番組『福岡県庁知らせた課』として再スタートを切ることが、福岡県から発表されました。

類似番組

地域のご当地アイドルグループが自治体の広報番組のリポーターを務めるという点で、本番組と類似する例として、東海テレビ放送で放送されている愛知県の広報番組『SKE48のあいちテル!』が挙げられます。こちらも、名古屋市を拠点とするアイドルグループSKE48のメンバーが交代でリポーターを担当しています。

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