ふしみ (潜水艦救難艦)

ふしみ（JDS Fushimi, ASR-402）

ふしみは、海上自衛隊が保有する潜水艦救難艦であり、艦名は歴史的な伏見城に由来しています。日本の艦艇としては3代目となり、計画番号はJ108です。この艦は、潜水艦部隊の護衛や救助活動を担当する重要な役割を果たしています。

来歴

ふしみの建造は、昭和34年度の計画から始まりました。当初、「ちはや」という艦が建造され、潜水艦救難艦の nhiệm vụに着手されたのです。初期の頃、海上自衛隊の潜水艦は、本艦の母港である呉基地に集中して配備されていました。しかし、その後、潜水艦部隊の増加に伴い、横須賀基地にも潜水艦基地が設置されることになり、ふしみはそのための2番目の潜水艦救難艦としての役割を担うべく建造されました。

設計

ふしみは基本的に「ちはや」の進化版として設計されていますが、予算の制約から一部スペックダウンが行われています。設計の際には商船の構造を取り入れ、全通2層甲板の遮浪甲板型の船体が特徴です。さらに、煙突は2本設置され、洋上での作業を効率化するために減揺水槽（ART）が装備されています。

主機関には川崎造船が開発したV型6気筒のディーゼルエンジンであるMAN V6V22/30ATLを2基搭載しており、これにより1軸の推進器を動かします。推進装置は可変ピッチプロペラが採用され、航行性能の向上が図られています。

装備

本艦の救難装置は「ちはや」と類似しており、レスキュー・チェンバーを利用しています。この救難システムでは、遭難した潜水艦を検知した後、まず4点係留方式で艦を固定することになります。この時に使用される大型の係留浮標は艦の煙突の前方に配置され、朱赤色の塗装が施されており、艦の外観上の特徴となっています。さらに、艦尾甲板には錨が両舷に備え付けられ、指定された番号が付けられています。各錨の重さは約1.8トンです。

ふしみには艦尾甲板の左舷に国産のレスキュー・チェンバーが搭載されています。これはアメリカ海軍から譲渡された「ちはや」のものと異なり、さらに大きいサイズとなっており、操作員2名と救助対象8名を収容可能です。また、作業艇としてはFRP製の11メートルの艇が用意されており、従来のクレーン方式から重力型ボート・ダビットに改良されています。

さらに、潜水艦への物資補給の効率化や魚雷の積載能力も強化され、潜水母艦としての機能も備えています。

艦歴

ふしみは、第3次防衛力整備計画に基づき、昭和46年度に住友重機械工業浦賀造船所で建造を開始しました。1968年11月5日に起工され、1969年9月10日に進水し、1970年2月10日に就役しました。その後、第1潜水隊群の直轄艦として横須賀に配備されました。
1973年には自衛艦隊の第2潜水隊群が新たに編成され、ふしみもその有隣艦となります。1985年には、同隊群に所属していた「ちはや」が特務艦に変更されたため、ふしみも呉に転籍しました。

最終的に、2000年3月24日に「ちはや」（2代目）が就役したことに伴い、ふしみは除籍されています。

参考文献

• - 石橋孝夫『海上自衛隊全艦船 1952-2002』（並木書房、2002年）

もう一度検索