ふじ2号

ふじ2号について

ふじ2号（Fuji-OSCAR 20、JAS-1b/FO-20）は、1990年2月7日に種子島宇宙センターから打ち上げられた日本のアマチュア衛星です。この衛星は、先代のふじ1号の機能を引き継いでおり、もともとはJAS-1のエンジニアリングモデルとして設計されていました。その後、再整備を行い、実際の運用に投じられたのです。

ふじ2号は、海洋観測衛星のMOS-1b「もも1号b」の打ち上げ時に、ピギーバック衛星として同時に発射されました。このため、他のミッションを支援しつつ、アマチュア無線コミュニケーションの役割も果たすことができました。

衛星の概要

ふじ2号は、日本アマチュア無線連盟（JARL）によって開発・運用されています。衛星は、長さ47cm、幅44cm、高さ44cmの長球形で、コンパクトな設計です。打ち上げは当時の宇宙開発事業団（現・宇宙航空研究開発機構）によって行われ、呼び出し符号はアマチュア衛星局8J1JBSとして免許が付与されています。

この衛星は、145MHz帯のアップリンクと435MHz帯のダウンリンクを使用して通信を行っています。また、CW・PSKビーコン信号は435.795MHzで送信され、必要に応じて周波数が変更されることもあります。送信出力は1Wで、デジタル系中継器（電子掲示板、電子メール）を介した通信も可能です。データ通信速度は1,200bpsと比較的低速ですが、アマチュア無線ユーザーにとって非常に有用です。

通信機能

ふじ2号の最大の特徴は、音声信号や電信信号の中継、さらにはデジタルパケット信号も扱えることです。この機能により、アマチュア無線ユーザーは衛星を通じて通信を行い、宇宙に波を届けることができます。

経緯と運用状況

衛星の運用は1990年度から開始されましたが、1997年には受信状況の変化がありました。当初、CWテレメトリ信号は本来送信すべき3桁の数字の代わりに3つの長音を発信していました。2000年には、アナログ系の送信機が一時的に停止する現象が観測されました。この停止は、衛星の蓄電池を保護するためのUVC（Under Voltage Controller）機能が働いた結果と考えられています。

2005年には、太陽活動の影響で宇宙放射線が強まり、衛星のアナログCWビーコンからデジタルモードへの切り替えが行われ、PSKビーコンが発射されました。この動きは、無線通信にとって大きな意味を持ちました。

2008年4月末に一応の運用が終了されましたが、日照条件によってはまれに信号が送信されることもあります。そのため、アマチュア衛星局8J1JBSの免許は継続中です。

まとめ

ふじ2号は、アマチュア無線におけるコミュニケーションの寄与にとどまらず、衛星通信技術の発展にも寄与しています。今後もその影響力が大いに期待されるプロジェクトです。

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