ぶんぶんぶん

童謡「ぶんぶんぶん」について

「ぶんぶんぶん」は、誰もが一度は耳にしたことのある童謡です。原曲はチェコ・ボヘミア地方の民謡で、それにドイツの詩人ホフマン・フォン・ファラースレーベンが歌詞をつけました。さらに、日本の詩人、村野四郎が日本語の歌詞をつけたものが、現在広く親しまれています。

ドイツ語曲の成立

原曲は、1835年にホフマン・フォン・ファラースレーベンによって歌詞がつけられました。1843年には、ライプツィヒで出版された童謡集『Funfzig Kinderlieder』に「Biene」（ドイツ語で「蜂」の意味）というタイトルで収録されました。この曲はト長調で書かれており、現代ドイツでは蜂の羽音を表す擬音から「Summ, summ, summ」というタイトルでも知られています。

ホフマンの歌詞は養蜂の様子を歌っており、前半では野山を飛び回り働く蜂の姿を、後半では蜜蝋や蜂蜜の恵みに感謝する内容となっています。

日本語曲「ぶんぶんぶん」の誕生

日本語の「ぶんぶんぶん」は、1947年に小学校1年生用の音楽教科書『一ねんせいのおんがく』に掲載されました。作詞は詩人の村野四郎が担当しました。この教科書は戦後唯一の文部省編集による小学校音楽科の国定[[教科書]]でした。

1949年以降の検定教科書制度でも「ぶんぶんぶん」は引き続き採用され、教育芸術社や教育出版からも教科書に掲載されました。ドイツ語版には5番まで歌詞がありましたが、村野の日本語詞では2番までに短縮されています。また、歌詞の内容も養蜂から野原に咲く野ばらに蜂が集まる様子へと変更されています。原曲がト長調であったのに対し、『一ねんせいのおんがく』掲載の「ぶんぶんぶん」はハ長調に改められました。

ちなみに、同じ曲に別の歌詞をつけたものとして、1913年に吉丸一昌が「蜜蜂」というタイトルで「ブンブンブン蜂が鳴く」という歌詞をつけたものが存在します。

現代における「ぶんぶんぶん」

「ぶんぶんぶん」は、現在でも様々な場面で使用されています。

駅の接近メロディー: 村野四郎の出身地である東京都府中市の京王線府中駅では、下りホームの列車接近メロディーとして使用されています。
CMソング: ファンケルのマイルドクレンジングオイルや、ユニリーバ・ジャパンのシャンプー「クリア」のCMで替え歌が使用されています。



「ぶんぶんぶん」は、時代を超えて愛される童謡として、これからも歌い継がれていくことでしょう。

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