ぽんぽこ物語

ぽんぽこ物語

『ぽんぽこ物語』は、1957年11月から1958年2月にかけてKRT（現在のTBSテレビ）で放送された日本の時代劇で、全75話から成り立っています。特にこの作品は、日本初のテレビドラマとして位置づけられ、屋外ロケで撮影され、16ミリフィルムで収録された点が特徴です。

放送の概要

放送は月曜から土曜の毎日、18:00から18:10の時間帯で行われていました。この番組は、武田薬品工業が一社提供しており、『タケダアワー』の前身でもあります。放送開始当初は高い認知度を誇り、視聴率は最高16.7%を記録しました。この視聴率は、当時のテレビ普及率7.8%と比較しても、相対的に高い数値と言えます。

フィルム発見の経緯

放送終了後、長らく所在不明だった『ぽんぽこ物語』ですが、2018年12月にTBSビジョンの倉庫から71話分のフィルムが発見されました。発見されたフィルムは、本編67巻やオープニングタイトル1巻、音ネガ1巻を含んでおり、そのうちの11巻は損傷が激しく、現時点での修復は断念されています。このような発見は、作品の価値を再認識させる出来事となりました。

スタッフとキャスト

この作品の企画は大垣三郎によって立案され、原案は宮崎博史が手掛けました。脚本は川内康範が務め、監督は真弓典正が担当しました。さらに、音楽は小川寛興が制作しました。

主要なキャストには、ぽん子役の小鳩くるみをはじめ、ぽん吉役の栗原眞一、鶴のおばさん役の若水ヤエ子、黒野八回役の里井茂、そしてお政役の宇野良子など、多彩な俳優が出演しています。

漫画版の登場

作品に関連して、漫画版も存在します。この漫画は、宮坂栄一によって『少女ブック』（集英社）に連載されました。テレビドラマの人気を受けて、漫画としても展開されることになりました。

映像ソフト化

2020年には、TBS Vintage Japanから『ぽんぽこ物語』のフィルムの一部（12話分）を収録したDVDが発売されました。同時に、小鳩くるみが所蔵していた音源テープを利用した劇中歌を収録したサウンドトラックCDも同梱され、ファンからの注目を集めました。ただし、オープニングタイトルは音声なしの状態で収録されていないものの、別のオープニングキャッチのフィルムは現存しています。

まとめ

『ぽんぽこ物語』は、日本のテレビドラマ史において重要な位置を占める作品です。長い間失われていたフィルムが発見されたことで、再びその魅力が見直され、70年近い時を経てもなお、多くの人々に愛され続ける存在となっています。

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