まんが王

『まんが王』について

『まんが王』は、秋田書店が1951年に創刊した月刊漫画雑誌です。当初は『冒険王』の増刊として4号だけを発行し、その後1952年から独立した月刊誌として刊行が始まりました。特に眼を引くのは、この雑誌が主に低学年の読者向けの漫画を多く掲載していた点です。これは、当時の他の少年漫画雑誌が高学年向けが主流であった中での特異な存在でした。

1960年には誌名を『まんが王』に変更し、1年後の1961年4月号からは『小学生画報』に改名します。この変更は、秋田書店の兄弟誌として創刊された『中学生画報』と関連を持たせる意図があったのかもしれませんが、短期間で休刊を迎える運命にありました。実際に『小学生画報』は只今1年も持たず、1961年12月号で再び『まんが王』に戻されています。

昭和40年代に入ると、季刊誌として『別冊まんが王』も発刊されましたが、業界全体の厳しい競争に加え、競合誌の相次ぐ休刊が影を落としました。ついに1971年6月号を最後に、『冒険王』に合併される形で休刊を迎えることになりました。このように、短期間に多くの変遷を経た雑誌ではありましたが、その歴史の中で多くの優れた漫画作品や作家たちを輩出しました。

特筆すべきは、ギャグ漫画家の赤塚不二夫が連載した「ナマちゃん」や、吾妻ひでおのデビューを果たしたことです。これらの作品は、当時の読者に強い印象を残し、後の漫画シーンにも影響を与える存在となりました。

『まんが王』に掲載された著名な作品には、手塚治虫の「ぼくのそんごくう」や「ふしぎな少年」、桑田次郎による「超犬リープ」などがあります。また、いずみあすかの「海賊王子」、井上英沖の「ドラゴンタイガー」、原案：森やすじ・絵：伊東章夫による「ハッスルパンチ」、手塚治虫の「魔神ガロン」など、バラエティに富んだ人気作品が数多く連載されていました。

さらに、板井れんたろうによる「スリルくん」、貝塚ひろしの「ムサシ」や、越田委寿美の原作をもとにした「怪獣マリンコング」なども、読者に喜ばれていました。特に「怪獣マリンコング」の後続作「マリンコングの大逆襲」も、多くのファンに親しまれました。

こうした豊かな作品群に支えられ、『まんが王』はその期間において漫画界に貢献した存在であり、多くの人々に愛された雑誌でした。

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