まんまる四角

再婚家族の織りなす人間模様―テレビドラマ『まんまる四角』

1973年、TBS系列にて放送された『まんまる四角』は、全26話にわたるホームドラマです。毎週金曜日の夜8時からの放送枠で、多くの視聴者から愛されました。

このドラマの中心は、子連れ同士の再婚という新しい家族の形です。本田家と春山家の二つの家族が一つとなり、それぞれの個性豊かな登場人物たちが織りなす日常が丁寧に描かれています。

本田家では、優しく温厚な母親くに子（京マチ子）と、誠実で少し頼りない父親大介（桜木健一）が中心人物。二人の間に、くに子の連れ子であるタケ子（小鹿ミキ）と、大介の連れ子であるキヨ（浪花千栄子）がいます。異なる環境で育ってきた子供たちが、一つの家族として歩みを進めていく様子は、時に摩擦を生みながらも、温かい絆で結ばれていきます。

一方、春山家には、厳格ながらも子供たちを愛する父親俊作（二谷英明）と、明るく活発な息子英一郎（坂本九）の姿があります。俊作の妻である房子（沢田雅美）や、娘の悦子（水沢あき子）も加わり、春山家もまた、それぞれの個性と葛藤を抱えながら、日々を過ごしていきます。さらに、春山家の隣人である吾平（志村喬）の存在も、物語に深みを与えています。

本田家と春山家の交流を通じて、それぞれの家族が抱える問題や葛藤が浮き彫りになります。子供たちの学校生活や友人関係、親子の確執、そして再婚家庭特有の複雑な人間関係など、様々な出来事がリアルに描かれ、視聴者に共感と感動を与えました。

また、物語を彩る脇役たちも印象的です。とん春という屋台の夫婦（フミ子：木内みどり、とん平：高松しげお）や、とし子（国睦子）、桔梗屋の吉田（犬塚弘）と一郎（小倉一郎）、わかくさの道子（園佳也子）と弘志（宮脇康之）、アケミ（天野満里子）など、個性豊かなキャラクターたちが、物語に活気を与えています。さらに、立花（宗方勝巳）、かおり（加賀まりこ）、雄太郎（多々良純）といった登場人物も、物語に複雑さと奥行きを与えています。

そして、ドラマを象徴する主題歌「夜も昼も」。作詞は阿久悠、作曲は森田公一、歌は坂本九が担当し、ドラマの世界観をさらに深く印象付けています。

『まんまる四角』は、再婚家庭という現代的なテーマを扱いながらも、普遍的な家族愛や人間模様を丁寧に描き出した名作です。豪華なキャスト陣の演技、そして時代背景と共鳴する物語は、今見ても色褪せることなく、多くの視聴者を魅了し続けるでしょう。

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