みかぐらうた

みかぐらうた（神楽歌）

みかぐらうたは、天理教における重要な聖典の一つであり、同時に、教団の儀式である「おつとめ」において歌われる地歌を指します。

概要

みかぐらうたは、天理教の儀式「おつとめ」の中でも、「かぐらづとめ」や「てをどり」といった重要な場面で使用される地歌の歌詞を記したものです。これは、天理教の教義を伝える原典の一つとして位置づけられています。特に、「よろづたすけのつとめ」と呼ばれる地歌が一般的であり、1下り目から12下り目までが存在します。

歴史

天理教の教祖である中山みきは、1866年（慶応2年）頃から、信仰者に対して「みかぐらづとめ」の地歌を教え始めました。この地歌は、教団の儀式において重要な役割を果たすようになります。成立の過程を見ると、

1866年（慶応2年）: 第一節「あしきをはらひ たすけたまへてんりわうのみこと」
1870年（明治3年）: 第二節「ちよいとはなし」
1875年（明治8年）: 第三節「あしきはらひ たすけたまへ いちれつすますかんろだい」
1870年（明治3年）: 「よろづよ八首」
1867年（慶応3年）: 「十二下り」（正月から8月にかけて）

といったように、段階的に教えられ、成立していったことが分かります。

教義原典としては、広義には「おふでさき」が重要視されますが、みかぐらうたも教祖自身によって書かれたものであり、「おつとめ」における地歌として、非常に重要な要素を持つとされています。「おつとめ」においては、鳴り物の音律に合わせて、一定の手振りや足の動きである「おてふり」を行いながら、この地歌を歌います。みかぐらうたの歌詞には、天理教の基本的な信仰の心得が集約的に歌い込まれていると教えられています。

みかぐらうたは、覚えやすい仮名遣いで書かれており、親しみやすいのが特徴です。陽気な雰囲気で歌うことができるため、教理を学びながらも親近感を抱きやすいとされています。特に、「これは理の歌や。理に合わせて踊るのやで。ただ踊るのではない。理を振るのや。」という教えは有名で、みかぐらうたが単なる歌ではなく、教理を体現する重要な手段であることを示唆しています。そのため、みかぐらうたは信仰者にとって、最も身近な教理の一つとされています。

関連項目

天理教
おつとめ

参考文献

改訂 天理教事典 (1997年 天理教道友社) ISBN 4-8073-0412-7

もう一度検索