みちのく抗争

みちのく抗争

みちのく抗争は、1989年（平成元年）11月26日に発生した五代目山口組（組長：渡辺芳則）と極東佐藤会との間の暴力団抗争事件です。

抗争の勃発

1989年、山形県山形市の病院前で、五代目山口組羽根組（組長：羽根悪美、本名：恒美）の組員の遺体が発見されました。山形警察署の捜査により、事件は川村組（極東佐藤会会長：川村正夫）の縄張りであるJR山形駅前の飲食街で、羽根組組員が用心棒を強要していたことが原因で、川村組組員に刺殺されたものであることが判明しました。

抗争の激化

事件後、山口組は大規模な報復を開始します。11月27日には、約900人の山口組組員が空路や陸路で山形市に集結。翌11月28日には、殺害された羽根組組員の葬儀が営まれ、山口組員が多数参列しました。さらに11月29日夜には、極東佐藤会川村組組事務所前で山口組系組員が、川村組組員を威嚇する目的で拳銃を空に向けて発砲するという事件も発生しました。

抗争は山形県内にとどまらず、全国へと拡大します。12月1日には、秋田県警が山口組系組員6人を職務質問し、拳銃10丁を押収。中にはソ連製の9ミリマカロフ拳銃も含まれていました。12月2日には、青森県青森市で佐藤会山新組事務所にトラックが突入し、銃撃が行われました。12月3日には、東京都池袋で極東関口小林睦会と極東関口田中睦会斉藤組のそれぞれの組事務所で、拳銃の弾痕が発見されています。

手打ち

抗争の激化を受け、事態を収拾するため、五代目山口組舎弟会津角定一家五代目総長である木村茂夫と、極東関口会最高顧問であり佐藤会総長である佐藤儀一が会津若松市内で会談し、五分兄弟盃を交わして手打ちとなりました。

参考文献

* 飯干晃一『ネオ山口組の野望』角川書店〈角川文庫〉、1994年、199-201頁。ISBN 4-04-146436-6。

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