むのたけじ

むのたけじの生涯と業績

むのたけじ（本名：武野 武治、1915年1月2日 - 2016年8月21日）は、日本の著名なジャーナリストであり、反戦・平和活動を生涯にわたって続けました。彼は太平洋戦争に従軍した経験を経て、戦後はその反省を経て平和の重要性を強調しました。特に、彼が創刊した週刊新聞『たいまつ』は、彼の理念を広める重要な舞台となりました。

生まれ育ちと教育

むのたけじは秋田県仙北郡六郷町に生まれ、農民の家庭で育ちました。教育に力を入れた家庭環境の中で、県立横手中学校で国語や作文を教わった石坂洋次郎に感銘を受けました。1932年には東京外国語学校に進学し、外務省の書記生を目指しましたが、年齢制限により願書は却下されます。この時期から社会主義に関心を持ち、さまざまな思想に触れたことが後の彼の活動に影響を与えました。

ジャーナリストとしての道

1936年に『報知新聞』に入社し、秋田や栃木の支局で活躍しました。その後、戦時中の1940年には朝日新聞社に移籍し、中国や東南アジアを担当する特派員として従事しました。彼は当時の政治家や文化人と接し、その中で戦争の無意味さに気づいていきました。1945年には終戦を迎え、自身の従軍記者としての行動に疑問を持ち、退社を決意しました。

『たいまつ』の創刊と活動

1948年、名古屋に移ったむのは、自身の理念を具現化するために『たいまつ』を創刊しました。この新聞は、農村や農業、出稼ぎ問題、地域文化など多岐にわたるテーマを扱い、「自分の言葉に自分の全体重をかける」という信念で書かれました。彼の活動は、見逃されがちな声を拾い上げ、社会に広く発信するものでした。むのは780号までの記事を執筆し、地域 journalismの重要性を訴え続けました。

影響を受けた思想とその後の活動

彼は魯迅、レーニン、毛沢東といった思想家から多大な影響を受けました。反戦や平和を訴える彼の活動は、時を経ても多くの人々に響き、晩年にはテレビ番組や講演会で戦争の記憶を伝える役割を果たしました。また、彼の業績は高く評価され、2012年にはイーハトーブ賞を受賞するなど、多くの名誉を享受しました。

最後の年月と遺産

彼は2016年に101歳で亡くなりますが、彼の遺した新聞『たいまつ』やその思想は、今なお多くの人々に影響を与え続けています。横手市立図書館では『たいまつ』全780号がデジタル保存され、彼の著作や講演素材も整理されて展示されています。むのたけじが生涯を通じて記した言葉は、多くの人々の心に生き続け、未来の世代にも受け継がれるべき貴重な財産です。

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