もったいないお化け

もったいないお化け

「もったいないお化け」は、1982年に公共広告機構（現ACジャパン）が制作した公共広告のCMに登場するキャラクターであり、そのCM自体の名称でもあります。このCMは、食べ物を粗末にしないことの大切さを子供たちに伝えることを目的として制作されました。

概要

このCMは、電通大阪が制作を担当し、当時の人気番組『まんが日本昔ばなし』と同様の制作体制で、中田実紀雄氏のプロデュース、常田富士男氏と市原悦子氏のナレーションを起用しています。アニメーションと昔話風のストーリーが特徴で、視聴者に親しみやすい作品として受け入れられました。このCMは、1990年代まで長期にわたりテレビで放映され、多くの人々に記憶されています。

CMに登場する「もったいないお化け」は、一般的なお化けのイメージを踏襲しつつ、報恩感謝の念を忘れた者に対して姿を現すという設定です。これは、御霊信仰の祟りや仏教の因果応報といった概念を、子供向けに分かりやすく表現したものです。

CMは60秒版、30秒版、さらに英語版も制作されており、幅広い層にアピールしました。

あらすじ

CMのストーリーは、昔、お寺の和尚が子供たちを夕食に招く場面から始まります。しかし、子供たちは好き嫌いを言い、食べ物を残してしまいます。その夜、子供たちの前に紫の着物を着た食べ物のお化けが現れ、「もったいねぇ～」と恐ろしい声で子供たちを脅します。この出来事を知った和尚は、それが「もったいないお化け」だと教え、子供たちはそれ以来、食べ物を残さず食べるようになりました。CMの最後には「たべものを大切に」というメッセージが表示されます。

公共広告機構による関連作品

「もったいないお化け」の他にも、公共広告機構は日本昔話をモチーフにしたアニメーションシリーズを制作しています。これらの作品も、鬼や物の怪が登場し、子供たちを脅して改心させるという共通のテーマを持っています。

「ツンツン娘」（1983年）：この作品は、1984年度のACCCMフェスティバルで秀作賞を受賞しています。
「お手伝いタヌキ」（1984年）
「仲よし地蔵」（1985年）
「ごめんの鐘」（1986年）

これらの作品では、最後に「公共広告機構」の旧ロゴマーク（ハート形）が表示されています。1987年2月期以降は、「AC 公共広告機構」のロゴに変更されました。

脚注

これらのCMは、食育の大切さを子供たちに伝える上で、大きな役割を果たしました。

関連項目

もったいない：物を大切にするという日本独特の価値観を表す言葉。
食育：食に関する知識や食習慣を学ぶこと。
アニミズム：自然界のあらゆるものに霊魂が宿るとする信仰。
汎神論：宇宙や自然全体を神とみなす思想。
八百万の神：日本の神道の神々を指す言葉。
付喪神：長い年月を経た道具などに宿るという日本の妖怪。
百鬼夜行：様々な妖怪が夜に列をなして歩くという伝説。
あいさつの魔法。：ACジャパンのCM。
見える気持ちに。：ACジャパンのCM。
ジコ虫、増えてます!：ACジャパンのCM。

外部リンク

ACジャパン公式サイト内の広告作品アーカイブへのリンク:

「もったいないお化け」（1982年度）
「ツンツン娘」（1983年度）
「お手伝いタヌキ」（1984年度）
「仲よし地蔵」（1985年度）
「ごめんの鐘」（1986年度）

この項目では、「もったいないお化け」のCMに関する様々な情報を提供しました。このCMは、食べ物を大切にする心、感謝の気持ち、そして古き良き日本の文化を現代に伝える上で重要な役割を果たしています。

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