もみじ (曲)

もみじ

「もみじ」は、高野辰之作詞、岡野貞一作曲の唱歌で、1911年（明治44年）に発表されました。日本の秋の風景を代表する歌として、世代を超えて親しまれています。

概要

作詞者の高野辰之は、信越本線熊ノ平駅（現在は廃線）から見た紅葉の美しさに感銘を受け、この歌詞を作ったとされています。碓氷峠の自然が、この歌の誕生に深く関わっているのです。

2006年（平成18年）には、文化庁と日本PTA全国協議会によって「日本の歌百選」に選ばれました。これは、「もみじ」が日本の文化として重要な位置を占めていることの証と言えるでしょう。

また、近年では、フジテレビの子供向け番組『じゃじゃじゃじゃ〜ン!』で、町あかりが替え歌「そういえば… もみじ」を歌い、若い世代にも親しまれています。

合唱曲としての魅力

「もみじ」は、唱歌の中でも初期に作られた合唱曲の一つです。1951年（昭和26年）から小学校の音楽教科書に採用され、広く歌われています。合唱を通してハーモニーを学ぶことができる教材としても優れています。

二部合唱で構成されており、前半の8小節はカノン形式、3行目の4小節は高音部と低音部の音程差を利用するなど、様々な合唱の要素が盛り込まれています。これにより、歌いながら自然に音楽の構造を理解できるのが魅力です。

多様な編曲

「もみじ」は、様々な編曲がされており、多様な形で親しまれています。

紅葉の彩り：鈴木奈美による編曲で、『おもしろ変奏曲にアレンジ! 〜日本のうた〜』に掲載されています。
2台ピアノのための組曲『唱歌の四季』：三善晃によって2台ピアノ用に編曲され、新たな魅力が引き出されています。

みんなのうた

NHKの『みんなのうた』では、『紅葉』というタイトルで1979年に紹介されました。三枝成彰（現：成彰）編曲、女声合唱団「渚」が歌い、鈴木康彦がアニメーションを担当しました。映像には、リスやミノムシなど、様々な動物が登場し、歌の世界観を豊かに表現しています。

この映像は、「みんなのうた発掘プロジェクト」で発見され、2012年に再放送されました。

参考文献

川崎洋 『大人のための教科書の歌』 いそっぷ社、1998年。ISBN 4900963054

外部リンク

紅葉 - YouTube（歌：山野さと子）

「もみじ」は、美しい歌詞とメロディー、そして合唱曲としての魅力によって、これからも歌い継がれていくでしょう。

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