やしろ (掃海艇)

掃海艇「やしろ」について

海上自衛隊における掃海艇「やしろ」(ローマ字：JDS Yashiro, MSC-603、YAS-58) は、特に独自の設計と歴史を持つ艦船です。この艇の名前は、屋代島に由来しており、かつての旧海軍の御蔵型海防艦「屋代」に次ぐ、2代目の艦艇として位置付けられています。同型艇が存在しないことからも、その独自性が際立っています。

概要

「やしろ」は、昭和28年度計画の掃海艇の一環として建造され、管理されました。計画の中では、3隻の掃海艇が予定され、うち2隻はあただ型[[掃海艇]]として割り振られました。残りの1隻が「やしろ」にあたります。この分けられ方には、性能を比較する目的があったため、あただ型は平甲板の丸型船体を使用し、「やしろ」は平甲板の角型船体を採用しました。この設計の違いによって、いくつかの利点が浮かび上がりました。

具体的には、舷外排気のための煙突を廃止し、甲板上に広い作業スペースを確保しています。これにより、凌波性や船体抵抗、さらにはコスト面でも優れた性能を発揮することが確認されました。この結果、この艦艇の設計は以降の海上自衛隊の掃海艇の基礎とされ、その功績は今日にまでつながっています。

艦歴

「やしろ」の艦歴は1955年に始まります。昭和28年度に計画した掃海艇303号艇として、同年の6月22日に日本鋼管鶴見造船所で起工し、1956年の3月26日に進水を果たしました。そして、1956年の7月10日に就役し、呉地方隊に編入されました。初年度の9月1日には第31掃海隊が新設され、あまた型の「あただ」や「いつき」とともにこの掃海隊に編成されました。

その後も「やしろ」は、数回の編成替えを経て、1969年には第31掃海隊が呉地方隊へ戻り、1970年には阪神基地隊に移籍しました。さらに、1972年3月31日には特務船に種別変更され、船籍番号がYAS-58に変更されました。その後も呉地方隊に留まり続けましたが、1981年3月18日に除籍されるまで、長年にわたり海上自衛隊の一翼を担っていました。

参考文献

「やしろ」に関する資料として、石橋孝夫の著書『海上自衛隊全艦船 1952-2002』や、海人社から出版された『世界の艦船 増刊第66集 海上自衛隊全艦艇史』があります。これらは「やしろ」の詳しい情報や海上自衛隊の歴史についての理解を深める手助けとなります。

関連項目

掃海艇「やしろ」に関連する情報は、海上自衛隊艦艇一覧にも記載されており、他の艦艇との比較や、海上自衛隊の全体像を把握するのにも役立ちます。

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