やんちゃな生徒

トムとジェリー：やんちゃな生徒

1948年10月30日に公開された『やんちゃな生徒』は、ウィリアム・ハンナとジョセフ・バーベラ監督によるトムとジェリーシリーズの一編です。本作では、トムが教師、子猫のトプシーが生徒という設定で物語が展開します。

トムは、トプシーにネズミ捕りの技術を指導しようとしますが、トプシーは授業中も落ち着きがなく、全く言うことを聞きません。実技試験としてジェリーを捕まえさせるも、トプシーはジェリーを捕まえようとはせず、むしろ仲良くなってしまう始末。トムの指導は全く効果を発揮しません。

業を煮やしたトムは、自らジェリーを捕まえようとしますが、ジェリーはトプシーに「ネコとネズミは友達だ」と吹き込み、トプシーはジェリーに加担してトムを翻弄します。トムはトプシーにジェリーを追いかけさせようとしますが、トプシーは不器用でジェリーに友好的なため、捕獲作戦はことごとく失敗に終わります。なんとかジェリーを捕まえたかに思えた矢先にも、あっさり逃がしてしまう始末です。

トプシーの不真面目さに業を煮やしたトムは、ついに体罰に訴えます。この様子を見ていたジェリーは、トムに奇襲攻撃を仕掛け、トプシーを救出。さらにトムを屋外に追い出し、郵便受けに挟み込んで身動きが取れない状態にします。ジェリーは板でトムを叩こうとしますが、そこにトプシーが現れ、板を取り上げます。しかし、トプシーはトムの尻を思いっきり板で叩いてしまうのです。

こうして、トムはジェリーに敗れ、トプシーはジェリーを新たな教師として認め、ジェリーと手をつないで仲良く家路につくという、なんとも意外な結末を迎えます。

登場キャラクター

トム: ネズミ捕りの技術をトプシーに教えるも、トプシーの反抗的な態度に終始振り回されます。ジェリーとの対決にも敗れ、トプシーから尻を叩かれるという屈辱を味わいます。
ジェリー: トムとは正反対の教えをトプシーに説き、トプシーと共謀してトムを出し抜きます。いつものようにトムの攻撃をかわし、トプシーと友情を育み、最終的にトプシーの教師となります。
トプシー: トムからネズミ捕りを教わる生徒。授業態度が悪く、ネズミ捕りの技術も未熟です。ジェリーと仲良くなり、トムをからかうなど、やんちゃな性格が際立ちます。最終的には、トムを懲らしめ、ジェリーを教師として認めます。

作品全体の印象

本作は、教師と生徒、そしてトムとジェリーのいつもの関係性を逆転させたユニークな作品です。トプシーのいたずらっぽさと、ジェリーの知略、そしてトムの不運が織りなすドタバタ劇は、見ている者を飽きさせません。また、『ネズミの学校』とは対照的な作品として、ネコとネズミの役割が入れ替わっている点も見どころの一つと言えるでしょう。トプシーは他の作品にも登場しており、シリーズを通して愛されているキャラクターであることがうかがえます。

1964年から1990年頃にかけて、TBS系および他系列でテレビ放映され、日本の視聴者にも親しまれてきました。

スタッフ

監督：ウィリアム・ハンナ、ジョセフ・バーベラ
製作：フレッド・クインビー
作画：ケネス・ミューズ、エド・バージ、レイ・パターソン、アーヴン・スペンス
* 音楽：スコット・ブラッドリー

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