ゆきかぜ (護衛艦)

護衛艦ゆきかぜについて

護衛艦ゆきかぜ（JDS Yukikaze, DD-102、ASU-7003）は、海上自衛隊に所属する艦艇であり、はるかぜ型護衛艦の2番艦として位置づけられています。この艦船は、旧海軍の陽炎型駆逐艦「雪風」にちなみ、日本の艦艇としては2代目の名称を持っています。

艦歴

ゆきかぜは、昭和28年度の甲型警備艦1602号艦として、1954年12月17日に新三菱重工業神戸造船所で起工されました。翌年の1955年8月20日に進水し、その翌年の1956年7月31日に正式に就役し、横須賀地方隊に編入されました。

小さな歴史を刻みながら、1957年4月1日には、自衛艦隊の旗艦とされ、第1護衛隊群の旗艦にもなりました。これによって、艦は海上自衛隊内での地位を一層強固なものとしました。

1959年には、石川島重工業東京工場で特別改修工事を行い、艦の武装が強化されました。後部の爆雷投射機が撤去され、Mk.2短魚雷落射機が装備されるなど、対潜能力が向上しました。また、ソーナーや射撃指揮装置も最新のものに換装されました。

同年7月1日、自衛艦隊の司令部との兼務が廃止され、ゆきかぜは自衛艦隊の直轄旗艦となりました。1960年には洋上給油装置も装備され、同年5月から7月にかけて第4回遠洋練習航海に参加し、ハワイおよびアメリカ西海岸を訪れました。

1961年7月26日、護衛艦あきづきにその任を譲りつつも、同年に第1護衛隊群に編入されました。その後、1963年には映画『駆逐艦雪風』の撮影に参加し、先代の駆逐艦「雪風」として登場しました。

1964年に舞鶴に定係港を移し、1969年にはソナーをSQS-29Jに換装する近代化改装を受けました。1971年には、第3護衛隊群に編入され、同年に新たに編成された第12護衛隊にも所属しました。

1973年12月16日、第12護衛隊が廃止された際も、実用実験隊に編入され、以降の活動を続けることとなります。1974年11月には、第十雄洋丸事件に対応するため、災害派遣を行い、海没処分のための射撃を実施しました。

1976年と1981年にも実用試験を目的とした改装が行われ、艦の装備や機能が向上しました。また、1981年3月27日には特務艦に種別変更し、艦籍番号もASU-7003に変更されました。

1985年3月27日、ゆきかぜは除籍され、その総航程は442,979.0浬となり、実に地球を20.5周する距離を達成しました。1986年8月には能登半島沖で実艦標的として海没処分され、その役目を終えました。

登場作品

護衛艦ゆきかぜは、1963年の映画『太平洋の翼』に登場しており、潜水艦「くろしお」や魚雷艇10号とともに出演しています。

参考文献

• - 石橋孝夫『海上自衛隊全艦船 1952-2002』（並木書房、2002年）
• - 『世界の艦船 増刊第66集 海上自衛隊全艦艇史』（海人社、2004年）

このように、護衛艦ゆきかぜは日本の海上防衛において大きな役割を果たし、艦歴を通じて重要な体験を積んできました。

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