アイシンシロキ

アイシンシロキ株式会社

愛知県豊川市に本社を構えるアイシンシロキ株式会社は、自動車用部品の製造・販売を手掛ける企業です。現在は株式会社アイシンの完全子会社であり、アイシングループを構成する主要12社の一つに数えられています。自動車部品を中心に、国内外で事業を展開しています。

事業内容

同社は、自動車の室内空間を快適にし、操作性を向上させるための機能部品や、車体の外観を彩る部品など、多岐にわたる製品を提供しています。主な製品としては、シートの角度や前後位置を調整する機能装置、窓の開閉を操作するウィンドウレギュレーター、ドアロックなどの自動車用内装機能部品があります。加えて、ドアの窓枠やモールディングといった車体外装部品の製造・販売も行っています。また、自動車部品の分野にとどまらず、鉄道車両用の高品質なシート製造・販売も手掛けており、事業の幅広さが特徴です。

沿革

アイシンシロキ株式会社の歴史は古く、その源流は1946年3月にまで遡ります。当時は、東京日本橋にあった百貨店「白木屋」（現在の東急百貨店）の子会社として、「白木金属工業株式会社」の社名で設立されました。

1964年12月には東京急行電鉄（現：東急株式会社）の子会社となり、以後、東急グループの一員として事業を展開していきます。この時期に株式上場も果たしており、1970年5月に東京証券取引所2部、1972年10月には名古屋証券取引所2部へそれぞれ上場。翌1973年8月には両取引所の市場第一部へ指定替えとなりました。1988年9月には「シロキ工業株式会社」へと商号を変更しています。

大きな転換期を迎えたのは2011年4月です。この時、筆頭株主が東京急行電鉄からトヨタ自動車に変更されたことで、同社は東急グループを離れることとなりました。2015年11月1日には、トヨタ自動車およびトヨタ紡織向けのシート骨格機構部品事業をトヨタ紡織へ譲渡しています。

2016年に入ると、株式の動きが加速します。同年3月4日には東京急行電鉄が保有する全ての株式を売却。これに伴い、同年3月29日をもって上場廃止となりました。そして2016年4月には、アイシン精機株式会社（現在の株式会社アイシン）との株式交換により、同社の完全子会社となり、晴れてアイシングループ入りを果たしました。

子会社化後の主な出来事としては、2016年11月に創立70周年記念式典を開催。2019年10月には品質管理に関する権威ある賞であるデミング賞を受賞しています。現在の商号である「アイシンシロキ株式会社」に変更したのは、2023年4月1日のことです。

国内外拠点

アイシンシロキ株式会社は、国内各地に主要な拠点や工場を有しています。

本社: 愛知県豊川市千両町（1986年10月竣工）
本店・藤沢工場: 神奈川県藤沢市桐原町（1967年1月操業開始）
豊川工場: 愛知県豊川市大木町（1980年10月操業開始）
大阪工場: 大阪府茨木市田中町（1959年12月操業開始）
豊田工場: 愛知県豊田市高丘新町（アイシン 新豊工場内、2018年4月操業開始）

また、国内子会社として愛知県豊田市の松美工業株式会社（1961年12月設立）、福岡県北九州市の九州シロキ株式会社（2001年8月設立）があります。

グローバルな事業展開のため、海外にも生産・販売拠点を設けています。

シロキノースアメリカ（株）（1988年3月設立）
シロキ GA LLC（1995年6月設立）
シロキ GT LLC（2006年6月設立）
シロキタイランド（株）（2002年1月設立）
広州白木汽車零部件有限公司（中国、2003年11月設立）
PT. シロキインドネシア（2012年7月設立）
シロキオートモーティブインディアPVT.LTD.（2015年7月設立）

関連事項

かつては百貨店の白木屋の子会社として設立され、その後は東京急行電鉄の子会社として東急グループの一員でしたが、現在は株式会社アイシンの完全子会社としてアイシングループを構成しています。過去には、秋田新幹線「こまち」の回転リクライニングシートや、ナゴヤドーム（現：バンテリンドーム ナゴヤ）の貴賓席・スイートバルコニー席、京王5000系電車（2代）のシートなども手掛けており、自動車分野以外でも実績があります。過去には愛媛県宇和島市に宇和島シロキという工場がありましたが、2004年に閉鎖されています。

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