アイスクリーム・コーン

アイスクリーム・コーン

アイスクリーム・コーンは、円錐形をした乾燥したペイストリーで、主にウエハースのような素材で作られています。この形状により、アイスクリームを手でしっかり持つことができ、ボウルやスプーンを使わずに楽しむことができるのが大きな魅力です。

種類と呼び名

「コーン」という言葉は「円錐形」を意味するため、トウモロコシを含むという誤解を受けることがありますが、ウエハース自体には通常トウモロコシは使われていません。英語圏ではアイスクリーム・コーンは「ポーク」や「コルネット」とも呼ばれます。アイスクリーム・コーンには、様々なバリエーションがあります。代表的なものには、ワッフル・コーン、ケーキ・コーン（ウエハース・コーン）、プレッツェル・コーン、シュガー・コーン、チョコレート塗りコーンなどがあります。また、左右に2つのアイスクリームを並べて食べるダブル・コーンや、底が平らになっていて自立できるものも存在します。特に英国やアイルランドでは、バニラアイスクリームにキャドベリーズ・チョコレート・フレークを加えた「99」というスタイルが人気です。

歴史

アイスクリーム・コーンのルーツは古く、1825年にはフランスの料理本にその存在が紹介されています。ジュリアン・アルシャンボーは「小さなワッフル」で作るコーンの巻き方を解説しています。また、1888年にはアグネス・B・マーシャルによる『A・B・マーシャル夫人の料理本』に「コルネットとクリーム」のレシピが書かれており、アーモンドを使ったコルネットの焼き方が紹介されています。アメリカでは、アイスクリーム・コーンは20世紀初頭の1904年に急速に広まり、ニューヨークのイタロ・マーチオニーによって特許が取得されました。彼はアイスクリームを保持するためのペイストリーカップをそれ以前から販売していたと述べていますが、特許はコーン自体を対象としていなかったため、他社との訴訟で敗北しました。

セントルイス万博でも話題を呼び、アイスクリームを売るためのワッフルを使用したエピソードが有名です。この万博での活動を通じて、アイスクリーム・コーンは一般に広まっていきました。

製造と販売

初めてアイスクリーム・コーンが作られた際は、熱いウエハースを手で巻いて形成していましたが、1912年にフレデリック・ブラックマンがコーンを巻く機械の特許を取得し、彼の会社がその後ナビスコに売却されたことで、大量生産が可能となりました。世界最大のアイスクリーム・コーン・メーカーとして知られるジョイ・アイスクリーム・コーン・カンパニーも、1918年に創業し、業務用コーンの販売を始めました。日本では、日世が最大手となり、国のシェアの約7割を占めています。

アイス一体型コーンの開発

1928年には、テキサス州のJ.T. パーカーによって、アイスクリームと一体型のコーン製品が開発され、これが市場に登場しました。後にドラムスティック社を設立し、ネスレによって買収されたことで、この商品は広く知られるようになりました。また、イタリアのスピカ社が開発したコルネットも知られており、1976年にユニリーバに吸収され、その後ヨーロッパ各地で人気を博します。1979年にデイビッド・ワインスタインによって製品の包装方法が改良され、アイスクリーム・コーンの衛生管理と輸送が効率化されるなど、アイスクリーム・コーンは時代に応じて進化を遂げています。

アイスクリーム・コーンはただのデザートではなく、その背景には多くの技術革新や文化が息づいています。

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