ユニリーバ(Unilever plc)
概要
ユニリーバは、
ロンドンに本社を構える世界的な一般消費財メーカーであり、食品、洗剤、ヘアケア製品、トイレタリーなどの家庭用品を幅広く製造・販売しています。この企業は戦後から積極的に国際展開を進め、現在では180ヵ国以上で事業を展開しています。
歴史
設立と前史
ユニリーバの始まりは、1930年に
イギリスのリーバ・ブラザーズとオランダのマーガリン・ユニが経営統合したことに遡ります。
リーバ・ブラザーズの歴史
リーバ・ブラザーズは、1885年に設立された石鹸
会社で、パーム油を原料にした石鹸の製造を始めました。ほかの企業との連携を通じて原料の確保を図り、食品製造への進出も果たします。第一次世界大戦中には、政府からの要請を受けてマーガリンの製造を手掛けるようになり、競争環境が整っていきました。
マーガリン・ユニの歴史
一方、マーガリン・ユニは1867年に創業した油脂
会社にルーツを持ちます。市場での競争に打ち勝つため、他社との合併や
カルテルを形成し、その後、オランダ国内で独占的な地位を確立しました。
経営統合と成長
両社は世界恐慌の影響を受け、1930年にユニリーバとして統合を果たしました。しかし、その後の経営は容易ではなく、英蘭の間で収益の配分に差が出たため、幾度も再編成を余儀なくされました。特に、1939年にドイツでの事業拡大が進められ、第二次世界大戦中には、ドイツ市場への対応が求められるようになります。
技術革新と事業拡大
戦後、ユニリーバはエンジニアが不足していたため、他社との提携により新たな製品開発を進めました。この頃から化学工業への進出が始まり、研究所も設立・拡充されました。1960年代にはアイスクリームブランドの買収や、化学製品部門の拡大など経営の多角化を図ります。
近年の動向
1990年代以降、ユニリーバは新たな市場への進出を試み、アジアや中東への展開を進めました。また、リストラや事業整理を重ね、収益性の高いブランドを中心に成長を続けています。2010年代には、買収や売却を通じて、ビジネスポートフォリオの見直しを行いました。
2020年には本社機能を
ロンドンに統一し、企業戦略を再構築しました。最近では、消費者の嗜好の変化に対応するため、食品事業の一部を売却することを検討しています。
世界各国の支社
ユニリーバは、日本に完全子
会社としてユニリーバ・ジャパンを持ち、特に
化粧品部門での展開に注力しています。アメリカや
インドネシアなどでも地域特化型のビジネス戦略を図っています。広告活動も広範囲にわたり、各国のスポーツイベントへの
スポンサーシップも行っています。
主なブランド
ユニリーバは数多くのブランドを展開しており、食品やパーソナルケア、ホームケア用品など、様々な商品の中から選択と集中を進めています。
まとめ
ユニリーバは、消費者のニーズを敏感に捉えながら、グローバルな展開とブランド強化を図っています。多様な製品ラインで消費者の生活を支えることを目指し、さらなる成長を続ける企業です。