アイスランド中央銀行

アイスランド中央銀行（Seðlabanki Íslands）は、アイスランドの中央銀行であり、同国の金融政策の中核を担っています。その起源は、1927年からランズバンキ銀行が保有していた通貨発行権に遡ります。1961年、アイスランドの国会であるアルシングの決議により、ランズバンキ銀行の中央銀行部門から独立し、現在の形となりました。

組織と運営

アイスランド中央銀行は、経済大臣の管轄下に置かれています。運営は、アイスランドの首相が任命する総裁と副総裁、そしてアルシングが任命する7人の監査役会メンバーによって行われます。監査役の任期は7年です。

主な役割

アイスランド中央銀行は、アイスランド・クローナの通貨発行権を独占しています。また、アイスランドの外貨準備を管理する役割も担っています。ただし、1986年の中央銀行法改正により、商業銀行や貯蓄銀行の金利を監督する権限は失われました。

金融政策

アイスランド中央銀行は、名目上は独立した機関ですが、歴史的にはアイスランド政府の政策に追随する傾向がありました。しかし、2001年3月に変動相場制を導入して以降、インフレターゲット政策を採用しています。具体的には、消費者物価指数が前年同月比で+2.5%となることを目標としています。

当初、インフレターゲットの変動幅は年によって異なり、2001年は1-6%、2002年は1-4.5%でした。2003年からは、目標値を中心にプラスマイナス1.5%の変動幅が設定されています。しかし、2001年から2007年の間、物価上昇に対して誘導目標を下回ったのは2003年のみであり、政策の効果が十分に発揮されたとは言えません。

関連事項

アイスランド中央銀行に関連する事項として、以下のものが挙げられます。

2008-2011年のアイスランド金融危機
アイスランドの経済
アイスランド・クローナ
アイスランド金融監督庁 (Icelandic Financial Supervisory Authority)
グリトニル銀行
カウプシング銀行
ランズバンキ銀行

参考資料

白井さゆり『欧州迷走』日本経済新聞出版社、2009年。ISBN 978-4-532-35394-0。

外部リンク

* アイスランド中央銀行ホームページ （英語）（アイスランド語）

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