アウグストドルフ

アウグストドルフ：軍事と自然が調和する町

アウグストドルフは、ドイツ連邦共和国ノルトライン＝ヴェストファーレン州、デトモルト行政管区のリッペ郡に属する町です。デトモルトの南西約10km、トイトブルクの森の麓、ゼンネ地方の周縁部に位置しています。この町は、ドイツ連邦軍最大の兵舎と軍事演習場で知られています。

地理

アウグストドルフは、ゼンネ地方に位置し、融解水による漂礫土を含む砂状の氷床堆積物からなる土壌が特徴です。風によって砂丘が形成されており、下層は硬い岩でできています。町域の面積は42.18平方キロメートルで、東西の最大幅は約10km、南北のそれは約8kmです。町域の約60%が軍事利用に供されています。

隣接する市町村は、北西はエルリングハウゼン、北はラーゲ、北東と東、南東はデトモルト、南はシュランゲン（以上、いずれもリッペ郡）、南西および西はシュロス・ホルテ＝シュトゥーケンブロック（ギュータースロー郡）です。

歴史

アウグストドルフは1775年に創設されました。リッペ伯ジーモン・アウグストが、峠を越える街道沿いに農民の集落と飲食小屋を設けることを許可したのが始まりです。1789年に、伯を記念してアウグストドルフと名付けられました。

1890年、ドイツ軍がアウグストドルフの南に軍事演習場を建設し、1892年から運用を開始しました。第二次世界大戦後、この演習場はイギリスの管理下に置かれ、現在はイギリス軍、ドイツ連邦軍、NATO軍が使用しています。軍事用地の一部閉鎖と縮小により、この町は他に類例のない多彩な動植物相を手に入れました。このビオトープを保持するため、軍事演習場の地域はゼンネ＝エッゲ国定公園に指定される予定です。

住民と宗教

アウグストドルフは、元々福音主義の村でしたが、第二次世界大戦後、旧ドイツ東部領土からのカトリック住民や、ドイツ連邦軍の新設に伴って様々な宗教の人々が流入しました。現在では、福音主義改革派教会の他に、軍の教会（福音主義とカトリック）、シナゴーグ、バプテスト、メノナイト、イスラム教グループのモスクなどがあります。

行政

アウグストドルフの町議会は、26議席と町長で構成されています。現在の町長はトーマス・カッツァー (SPD)です。

文化と見所

アウグストドルフには劇場はありませんが、文化クライス・アウグストドルフ e.V. がキャバレー、コメディ、コンサートなどを開催しています。また、ゼンネの基礎課程学校の地下には小さな郷土資料館があり、兵舎の敷地内には軍事史コレクションがあります。

ドルフキルヒェ（村の教会）は、1875年に建設された石造のホール教会で、保護文化財に指定されています。インゼルヴェークのヴィテックスハレは、多機能のスポーツ・イベントホールとして利用されています。

自然

アウグストドルフには、エストリッヒャー・トイトブルガー・ヴァルト（トイトブルクの森東部）自然保護地区など、3つの自然保護地区が指定されています。また、GNS ゼンネ（ゼンネ自然保護協会）が環境教育センターを運営しており、ゼンネ周辺のハイキングや自然保護活動を行っています。

スポーツ

HSG アウグストドルフ/ヘーヴェルホーフはハンドボールチームで、過去にはブンデスリーガ2部でプレイしていました。FC アウグストドルフはサッカークラブで、ランデスリーガに昇格したこともあります。また、TuSG アウグストドルフは、テニスや武道など、様々なスポーツ種目を提供しています。

経済と社会資本

アウグストドルフは、ビーレフェルトとパーダーボルンを結ぶアウトバーンA33号線に近く、公共交通機関も充実しています。町には図書館があり、住民センターの一階に約1万点のメディアを所蔵しています。

まとめ

アウグストドルフは、軍事施設と豊かな自然が共存する独特な町です。歴史的な背景、多様な文化、そしてスポーツやレクリエーションの機会が、この町の魅力を形作っています。

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