アウディ・RS4

アウディRS4：高性能セダンの歴史と進化

アウディRS4は、ドイツの自動車メーカーであるアウディが製造する、高性能スポーツセダンおよびワゴンです。その歴史は、ポルシェとの共同開発による初代モデルまで遡ります。それぞれの世代において、パワフルなエンジンと洗練された走行性能で高い評価を獲得し、多くの自動車愛好家を魅了してきました。

初代（B5系、2000年-2002年）：アバントのみの限定モデル

A4をベースに、アウディスポーツの前身であるクワトロ社がチューニングを施した初代RS4は、アバント（ステーションワゴン）ボディのみの設定でした。特徴的なのは、左右に拡張されたフェンダーと大径アルミホイール、そして専用エアロパーツです。2.7リッターV6ツインターボエンジンは、385馬力という圧倒的なパワーを誇り、6速マニュアルトランスミッションとの組み合わせにより、優れた加速性能を実現していました。前後50:50の駆動力配分と、強化されたシャシー、レカロ製シートなど、走りに特化した装備も魅力でした。日本には2001年6月に限定50台が導入されました。

2代目（B7系、2006年-2008年）：セダンとカブリオレが登場

2代目は、アバントに加え、セダンとカブリオレ（日本未導入）がラインナップに加わりました。心臓部には、独自開発の高回転型4.2リッターV8エンジンを搭載。8250rpmという高回転域まで使用可能なこのエンジンは、420馬力を発生し、6速マニュアルトランスミッションと組み合わされました。四輪駆動システムであるクワトロシステムは、ダイナミックライドコントロールを採用し、走行状況に応じて最適なトルク配分を可能にしていました。前後トルク配分も、よりダイナミックな走行性能を実現するために、可変式となりました。また、EDS（エレクトロニック・デファレンシャル・ロック・システム）により、トラクション性能も向上しています。日本には右ハンドル仕様も導入され、高い人気を博しました。

3代目（B8系、2012年-2015年）：アバントのみの復活

3代目は再びアバントのみの設定に戻りました。4.2リッターV型8気筒FSIエンジンを搭載し、450馬力、43.8kgmのトルクを発生します。トランスミッションには7速Sトロニックが採用され、スムーズな変速と高い効率性を両立していました。日本でも右ハンドル仕様が導入され、20周年記念限定車「ノガロセレクション」も発売されました。

4代目（B9系、2018年-）：ダウンサイジングターボの採用

4代目では、2.9リッターV型6気筒ツインターボエンジン「TFSI」を採用。最高出力450馬力、最大トルク61.2kgmを発生させ、先代のV8エンジンと同等の出力を実現しています。トランスミッションは8速ティプトロニックとなり、0-100km/h加速4.1秒、最高速度250km/h（リミッター作動）という圧倒的な性能を誇ります。エクステリアデザインは、アウディ90 クワトロ IMSA GTOからインスピレーションを受け、よりアグレッシブなスタイルとなっています。日本でも販売され、限定モデルも発売されました。

まとめ

アウディRS4は、初代から現在に至るまで、常に進化を遂げ、高い走行性能と洗練されたデザインを両立してきたモデルです。限定車も多数存在し、コレクターズアイテムとしての価値も高く、多くの自動車ファンを魅了し続けています。その歴史と進化は、アウディの技術力の高さを示す、重要な証と言えるでしょう。

もう一度検索