アウディ・RS5

アウディRS5：高性能スポーツカーの系譜

アウディRS5は、ドイツの自動車メーカー、アウディが2010年から生産・販売する、A5をベースとしたハイパフォーマンススポーツカーです。洗練されたデザインと圧倒的な走行性能を両立させ、アウディの技術力の高さを象徴するモデルとして高い人気を誇ります。

初代RS5（2010-2017年）：V8エンジンの咆哮

A5をベースに開発された初代RS5 (8T系) は、高回転型V型8気筒エンジンを搭載したことが大きな特徴です。クワトロ社（現アウディスポーツ）によるチューニングが施され、「パフォーマンスとデザインの完璧な融合」というコンセプトのもと、生み出されました。

エンジン: 8,500rpmという高回転を許容する、450PS/8,250rpmの最高出力と430Nm/4,000-6,000rpmの最大トルクを発生する自然吸気V型8気筒エンジンは、熟練工による手作業で組み立てられました。アルミ合金製シリンダーブロックとクランクケース、軽量化されたクランクシャフト、コネクティングロッド、ピストンにより、エンジン単体の重量を216kgに抑えています。0-100km/h加速4.6秒、最高速度250km/h（電子リミッター作動）という圧倒的な加速性能を実現しました。

トランスミッションと駆動方式: 7速Sトロニックトランスミッションと、アウディ独自のクワトロフルタイム4WDシステムを搭載。セルフロッキング・センターディファレンシャルに加え、新設計のクラウンギアを採用することで4WDシステムの小型化・軽量化を達成。前後トルク配分を最大70:30まで可変可能にしたことで、優れた走行安定性と操縦性を両立させています。さらに、電子制御トルクベクタリングとリアスポーツディファレンシャルの採用により、コーナーリング性能も向上しています。

日本での販売: 2010年9月13日に日本での販売が開始され、左ハンドルと右ハンドルの両方が提供されました。控えめながらもスポーティなデザインと高い性能は、多くのファンを魅了しました。2012年にはマイナーチェンジモデル、2013年にはオープンモデルの「RS5 Cabriolet」が発売されました。

2代目RS5（2017-）：ツインターボ時代の到来

2017年、ジュネーヴモーターショーで発表された2代目RS5 (5F系) は、大幅な進化を遂げました。V型8気筒エンジンからV型6気筒ツインターボエンジンへの変更は、軽量化と高効率化を実現しました。

エンジン: 2.9L V型6気筒ツインターボエンジンを搭載し、最高出力は450PSにまで向上。0-100km/h加速は3.9秒、最高速度は280km/hにまで向上しました。

トランスミッションと駆動方式: 8速ティプトロニックトランスミッションとフルタイム4WDシステムを採用し、よりスムーズでスポーティな走行を実現。前後トルク配分は40:60です。

ボディバリエーション: クーペに加え、5ドアハッチバックの「RS 5 Sportback」もラインナップに加わりました。

日本での販売: 2017年6月21日に「RS 5 Coupé」が発表され、同年9月下旬より納車が開始されました。「RS 5 Sportback」は2019年8月27日に発売されています。2019年にはマイナーチェンジモデルが発表され、2020年には改良型が発表されました。さらに、限定モデル「RS 5 Sportback RS 25 years」も販売されました。

まとめ

初代のV8エンジン搭載モデルから、2代目のV6ツインターボエンジン搭載モデルへと進化を遂げたRS5。常に高いパフォーマンスと洗練されたデザインを両立させ、アウディのスポーツカーとしての地位を確固たるものとしています。今後の更なる進化にも期待が高まります。

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