アウトストラーダ A36

アウトストラーダ A36（アウトストラーダ・ペデモンターナ・ロンバルダ）

アウトストラーダ A36、通称アウトストラーダ・ペデモンターナ・ロンバルダは、イタリアのロンバルディア州で建設中の高速道路プロジェクトです。この道路は、ミラノ市街北部の交通渋滞緩和を目的とし、ヴァレーゼ県、ベルガモ県、ミラノ北部といった地域を結び、さらにミラノ・マルペンサ空港とベルガモ・オーリオ・アル・セーリオ空港へのアクセスを向上させることを目指しています。

建設状況

現在、カッサーノ・マニャーゴ近郊のA8との接続部から、レンターテ・スル・セーヴェゾ近郊の国道35号線までの区間が開通しています。これは2015年1月から11月にかけて段階的に開通しました。しかし、レンターテからアウトストラーダ A4までの区間の延伸計画は、国道35号線をアウトストラーダ化する予定であり、工事はまだ開始されていません。

背景と影響

この道路網は、ヴァレーゼ県とコモ県の交通に大きな影響を与えるだけでなく、カッサーノ・マニャーゴとオージオ・ソットという人口密集地を直接結ぶことで、ミラノ県、モンツァ・エ・ブリアンツァ県、ベルガモ県、そしてロンバルディア州北部全体の交通状況を大きく変える可能性があります。また、このプロジェクトには、ヴァレーゼ環状線やコモ環状線の完成、そしてアウトストラーダ・ベルガマスケの建設も含まれており、広範囲にわたるインフラ整備計画の一部となっています。

費用

プロジェクト予算は総額41.15億ユーロとされています。このうち、国費は12億ユーロです。対象となるのは、87kmのアウトストラーダと、コモ、ヴァレーゼの環状線を含む70kmの県道・地方道です。建設費は1kmあたり5,780万ユーロと見積もられており、総費用は50億ユーロに達するとされています。これはイタリア史上最も高額なアウトストラーダの1つとなっています。

関係会社

アウトストラーダ・ペデモンターナ・ロンバルディア株式会社は、このアウトストラーダの宣伝、調査、計画、建設、運営を担っています。一方、ロンバルディア高速道路コンセッション株式会社は、コンセッション協定の承認プロセスの監視や、ゼネコン決定のための入札書類の作成などを担当しています。工事はインプレジーロ、アスタルディなどの企業グループに発注されています。

料金

2015年11月1日から、フリーフロー型通行料徴収システムが導入されています。それまでは通行料は徴収されていませんでした。

歴史

ペデモンターナの構想は1950年代後半に始まりました。当初の計画ではベルガモとビエッラを結ぶものでしたが、1970年代には計画が凍結しました。1980年代に計画が再浮上し、1990年に建設コンセッションが承認されました。2000年代に入り、ルートが具体化され、2007年には建設コンセッション契約が締結されました。最終計画は2009年に公開され、2010年に工事が開始されました。一部区間は2015年に開通しましたが、残りの区間の工事はまだ開始されていません。

経路

現在開通しているのは、カッサーノ・マニャーゴ近郊のA8からレンターテ・スル・セーヴェゾの国道35号線までの区間です。この区間には、ソルビアーテ・オローナ、モッツァーテ、チズラーゴ、ブレニャーノ-ラッツァーテの各出入口があります。また、モッツァーテ出入口付近には多目的サービスエリアの建設が計画されています。

未建設区間は以下の通りです。

B2区間: スーペルストラーダ・ミラノ-メーダの再開発とチェザーノ・マデルノまでの延伸
C区間: チェザーノ・マデルノからヴィメルカーテ近郊のA51ミラノ東環状線までの区間
D区間: ヴィメルカーテからA4オージオ・ソット、ブレンバーテまでの区間

ペデモンターナ・ロンバルダのルートは、人口密集地や環境制約のある地域を通過するため、自然や人工のトンネルの建設、環境保護のための措置が講じられています。

批判と懸念

この道路に対しては、特にメーダの自治体を中心に、批判の声が上がっています。スーペルストラーダ・ミラノ-メーダの破壊、交通量の増加、セベソ事故に関連するダイオキシン残留物の安全リスク、そして自然公園の破壊などが懸念されています。また、道路の幅が過剰であるという批判も出ています。

脚注

注釈
出典

外部リンク

* アウトストラーダ・ペデモンターナ・ロンバルダ株式会社公式サイト

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