アウトドアリビング

アウトドアリビングの魅力と特徴

アウトドアリビングとは、居間からアクセスできる庭やバルコニーなどを生活空間として扱うスタイルを指します。これらのスペースは、内部空間と一体化し、まるで「屋根のない部屋」として機能します。アウトドアリビングを通じて、自然との一体感を得ることができ、バーベキューなどの屋外アクティビティを楽しむことが可能です。

背景

生活の質が向上する中で、住まいは単なる生活空間から、より多様な体験を得る場所へと変化してきました。特に都市部では、キャンプ用品を持ち出さなくても、大きなバルコニーや屋上を設けることで、日常の中で自然を感じ、楽しむことができる空間が求められるようになっています。これにより、狭小地でもプライバシーを保ちながらアウトドア的なライフスタイルを楽しむことが実現されています。

例えば、2階にリビングを配置し、一部を開放的な半屋外スペースにする事例が増えており、こうした工夫により都市部でも快適にアウトドアライフを満喫することが可能になっています。2015年の調査によると、特に若い世代は家庭が思い出の場であるという感覚が強まり、アウトドア関連のアイテムがSNS映えすることもこの流れを後押ししています。

アウトドアリビングのメリット

1. 自然を体感
自宅に居ながら、風や光、四季の変化をダイレクトに体感できるのが魅力です。

2. 多彩なアクティビティ
屋外でバーベキューを楽しんだり、星空を眺めることで、リフレッシュしたり特別な時間を持つことができます。

3. 家族やコミュニティの交流
二世代住宅では家族が自然に顔を合わせやすくなり、近隣住民との交流の場にもなります。

4. 省エネ効果
外で過ごすことでエアコンの使用が減少し、省エネルギーにつながるというメリットも挙げられます。オーストラリアの調査では、年間8500円から19000円の節約が可能で、温室ガスの削減も期待されます。

構成要素

アウトドアリビングは幾つかの要素から成り立っています。まず、プライバシーを保つために視線を遮る壁や緑地の設置が重要です。主に滞在するエリアは庭のメインテラスとして設定し、さらにウッドデッキやタイルテラスとくっつけることでアクセスしやすくします。
ガーデンファニチャーやバーベキューグリル、また夏の暑さを和らげるためのシェードやパーゴラも必要です。視覚的な楽しさを提供するために、カラフルでデザイン性の高いアイテムを配置することも考慮されます。
特に、落葉樹の植樹は夏の日差しを防ぎつつ冬には採光を促す役目も持ちます。芝生や苔の植栽なども、ヒートアイランド現象の防止や、リフレッシュのために効果的です。さらに、池や水盤を設けて水の光の反射や流れる音を楽しむ工夫も人気です。

国際的な傾向

オーストラリア

オーストラリアでは、アウトドアリビングが快適で涼しい居場所となり、多くの住宅に設置されています。屋根があるパティオやバルコニーが一般的で、少なくとも6畳以上のスペースが確保され、食事や勉強のためのテーブルと椅子が設けられています。

欧米諸国

庭の手入れが難しいため、庭をプールにするケースが増えているようですが、やはり屋外を楽しむ傾向は強いです。

日本

日本では古くからの「縁側」文化があり、庭の四季を積極的に楽しむ習慣がありましたが、近年は核家族化や欧米化が進み、庭の手入れは難しくなっています。その結果、コンクリートやタイルで覆った庭が増え、アウトドアリビングの需要が高まっています。

このように、アウトドアリビングは、現代において住まい方の選択肢として急速に広がりつつあります。

もう一度検索