アウトドローモ・ネルソン・ピケ (ブラジリア)

ネルソン・ピケ・サーキット：ブラジリアのモータースポーツの中心地

ブラジルの首都ブラジリアに位置するネルソン・ピケ・サーキット（Autódromo Internacional Nelson Piquet de Brasília）は、ブラジル国内屈指の国際レーシングサーキットです。全長5,475.58メートルのコースは、数々の国内外のレースイベントを舞台としてきました。

歴史と改称

1970年代前半、ブラジリアではF1ドライバー、エマーソン・フィッティパルディ選手の活躍を背景に、国際規格を満たすサーキットの建設が進められました。その結果、1974年に完成したこのサーキットは、当初はブラジリア・サーキット（Autódromo de Brasília）と呼ばれていました。しかし、1995年にF1レジェンド、ネルソン・ピケ氏がサーキットの賃貸契約を締結したことにより、現在の名称へと改称されました。この改称には、ピケ氏とブラジリアとの深い繋がり、そして彼によるモータースポーツへの多大なる貢献が反映されています。

コースの特徴とイベント

ネルソン・ピケ・サーキットは、左旋回と右旋回がそれぞれ6つずつ配置された、テクニカルなコースレイアウトが特徴です。750メートルにも及ぶ長いメインストレートは、ドライバーにとって最高の加速感を提供します。

サーキットでは、主にストックカー・ブラジルやフォーミュラ・トラックといった国内選手権のレースが開催されています。国際的なレースも過去には開催され、1996年にはBPR Global GTシリーズ（FIA-GT選手権の前身）の非公式レースが開催されました。このレースでは、ネルソン・ピケ氏とジョニー・チェコット組がマクラーレンF1 GTRで優勝という輝かしい結果を残しています。また、2006年にはピケ氏の長男であるジェラルド・ピケ選手がフォーミュラ・トラック最終戦で初優勝を飾りました。

モータースポーツイベントの他、このサーキットはコンサートなどの大規模イベントにも活用されています。多様なイベントに対応できるインフラを備えている点が、このサーキットの大きな魅力となっています。

ネルソン・ピケ氏との強い繋がり

ネルソン・ピケ氏はリオデジャネイロ出身ですが、少年時代からブラジリアで生活し、レースキャリアもブラジリアでスタートさせました。そのため、このサーキットにはピケ氏にとって特別な意味があります。引退後もブラジリアを拠点に活動するピケ氏は、自身のレースチーム「ピケ・スポーツ」の本拠地をこのサーキットに置き、事務所も近隣に構えています。リオデジャネイロのアウトドローモ・ネルソン・ピケと比べると、国際的な知名度は劣るかもしれませんが、ネルソン・ピケ氏自身にとっては、より個人的で特別なサーキットと言えるでしょう。

まとめ

ネルソン・ピケ・サーキットは、ブラジリアのモータースポーツシーンの中核を担う重要な施設です。国際規格を満たすコース、多目的な利用、そしてネルソン・ピケ氏との深い繋がりなど、数々の魅力を兼ね備えたこのサーキットは、今後もブラジルのモータースポーツ界を盛り上げ続けることでしょう。

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