アエロフロート1492便炎上事故

アエロフロート1492便炎上事故の概要

2019年5月5日、アエロフロート・ロシア航空1492便は、モスクワのシェレメーチエヴォ国際空港を離陸直後に緊急着陸を試み、その際に機体が炎上するという痛ましい事故が発生しました。この事故により、乗員乗客合わせて41名もの尊い命が失われました。

事故の経緯

1492便は、シェレメーチエヴォ国際空港の滑走路24Cから離陸後、高度約3,000メートルで上昇を中断。その後、通信機器の不具合を報告し、緊急事態を宣言しました。離陸から約30分後、同空港への緊急着陸を試みた際に機体が炎上し、滑走路を逸脱してしまいました。着陸時の衝撃で機体はバウンドし、2回目の接地時に出火。特に機体後部が激しく炎上しました。事故機は完全に炎上し、全損となりました。

乗員5名、乗客73名のうち、客室乗務員1名を含む41名が死亡。生存者37名のうち10名が負傷し、そのうち6名が病院で治療を受けました。脱出の際、乗客が手荷物を持ち出そうとした行動が避難を遅らせた可能性も指摘されています。

生存者の証言によると、離陸直後に機体に落雷があった可能性があるとのことです。パイロットは落雷によって管制官との通信が一時的に途絶え、高度約2,100メートルで無線機器や自動操縦装置が使用不能になったと報告しています。

事故機について

事故を起こした機体は、ロシアのスホーイ社が開発した国産旅客機、スホーイ・スーパージェット100（機体記号RA-89098）でした。この機体は2017年6月に初飛行を行い、「ムスタイ・カリム」という愛称が付けられていました。最大87人乗りで、ビジネスクラス12席、エコノミークラス75席の構成でした。

乗員と乗客

機長は42歳で、総飛行時間6,844時間、うちSSJ-100での飛行時間は1,570時間でした。過去にはイリューシンIl-76、ボーイング737などの操縦経験もありました。副操縦士は36歳で、総飛行時間773時間、うちSSJ-100での飛行時間は623時間でした。客室乗務員は3名で、そのうち1名が事故で亡くなりました。

乗客は、ロシア国籍の方が40名、アメリカ国籍の方が1名でした。このうち、12歳の女性を含む26名がムルマンスク州に在住していました。乗員1名と乗客2名が重傷、乗員2名と乗客4名が軽傷、27名が怪我なく生還しました。

事故調査

独立国家共同体（CIS）の国家間航空委員会（IAC）が事故調査を開始。事故翌日には、コックピットボイスレコーダー（CVR）とフライトデータレコーダー（FDR）が回収されました。CVRは良好な状態でしたが、FDRは火災による高温で大きな損傷を受けていました。

事故の影響

アエロフロート・ロシア航空は、事故を受けて公式Twitterアカウントのアイコンをグレースケールに変更。また、公式ホームページで事故発生を発表し、生存者の氏名とホットラインの電話番号を公開しました。事故により滑走路が閉鎖され、シェレメーチエヴォ国際空港発着の便に大きな遅延が発生しました。

ロシア連邦大統領ウラジーミル・プーチンは、犠牲者の遺族に対しお悔やみの言葉を述べました。

関連項目

• - スホーイ・スーパージェット100の墜落事故
• - ブリティッシュ・エアツアーズ28M便火災事故

もう一度検索