アカシデ

アカシデ（赤四手）

アカシデ（学名：Carpinus laxiflora）は、カバノキ科に属する落葉高木で、日本をはじめとする東アジアに広く分布しています。本種は、北海道南部、本州、九州、さらには朝鮮半島や中国の山野でも見られ、低山の雑木林や公園、庭などに生育しています。その美しい姿と多彩な色合いから、庭木や公園樹としても利用されており、観賞価値が高い樹木です。

名称の由来

和名の「アカシデ」は、特徴的な新芽や若葉、さらには紅[[葉]]が赤いことに由来しています。また、「シデ」は果穂が垂れ下がることから「垂（し）で」を指すという説もあります。アカシデには多くの別名が存在し、「イヌシデ」とともに「ソロノキ」と呼ばれることもあります。地域によっては、「アカソネ」「アカゾノ」「アカゾヤ」などとも称され、様々な名称が知られています。

特徴

アカシデは高木で、高さは10から15メートル、幹径は30から60センチ[[メートル]]にも達します。樹皮は灰白色で滑らかですが、老木化すると縦筋の割れ目が見られるようになります。葉は互生し、卵形から卵状楕円形で、長さは4から8センチ[[メートル]]ほど。芽吹きの時期には全体が赤みを帯び、特に日当たりの良い場所では秋になると葉が虹色に変化し、見事な景観を楽しませてくれます。

花は4月から5月にかけて見られ、雌雄同株で、雄花は黄色がかった色をしており、前年の枝から細長く垂れ下がります。果穂は10月に成熟し、全体を覆う葉状の果苞は、他のシデの仲間とは異なる特有の姿を持っています。冬の間も果実が残ることがあるため、様々な季節にわたってその姿を楽しむことができます。

利用

アカシデはその美しさから、庭木や街路樹として広く用いられるほか、盆栽などの素材としても人気があります。特に自然な樹形を持ち、剪定に適さないものの、剪定を行わなくても整った形を維持しやすい特徴があります。また、材は堅く強度があり、楽器や椅子、さらにはシイタケのほだ木としても使われています。

見分け方

アカシデは特に新芽や紅[[葉]]が赤いことで他のシデ仲間と区別されます。イヌシデやクマシデは紅[[葉]]が黄色から橙色になるのに対し、アカシデは赤く染まります。また、葉柄が長く、特徴的な赤みを帯びた葉が特徴です。盆栽愛好家の間では、イヌシデを「シロソロ」と呼び、アカシデを「アカソロ」と区別することもあります。

シダレアカシデ

アカシデの中には「シダレアカシデ」（Carpinus laxiflora f. pendula）という品種も存在します。これは枝が垂れて伸びる特性を持ち、特に園芸用に人気があります。天然記念物として知られている幸神神社のシダレアカシデなど、観賞価値の高い樹種です。

美しい色彩と優雅な姿を持つアカシデは、自然の中での存在感と庭のアクセントになる素晴らしい樹木です。

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