アカデミー会員O・H・イーウチェンコ記念プロフレース・ザポリージャ機械製作設計局

イーウチェンコ＝プロフレースの概要

ウクライナのザポリージャに位置する国営企業「イーウチェンコ＝プロフレース」は、航空機用エンジンの設計と製造を専門とする企業です。正式名称はアカデミー会員O・H・イーウチェンコ記念国営企業ザポリージャ機械製作設計局であり、略称は「ДП ЗМКБ «Прогрес» ім. О. Г. Івченка」です。ロシア語ではアカデミー会員A・G・イーフチェンコ記念国営企業ザポロージエ機械製作設計局と称され、通称は「イーフチェンコ＝プログレース」と呼ばれます。日本では「イーフチェンコ」や「プログレス」としても知られています。

設立の背景

この会社は、ウクライナの航空産業の発展を支えるため、1945年にオレクサーンドル・イーウチェンコの手により設立されました。設立当初は民間機向けの航空機用エンジンの設計を行う組織としてスタートし、ソ連航空産業人民委員の指示に基づいて新たな設計局が形成されました。オレクサンドル・イーウチェンコは、その後この設計局の局長に就任し、1963年には企業の主要設計者に昇進しました。

重要なエンジンの開発

設計局では、これまでに数多くのエンジンが開発され、その専門家たちは旧式のエンジンの近代化にも取り組みました。この結果、ソ連の航空機に多数使われていたM-11やM-88、ASH-82FNなどのエンジンの技術が継承されていきました。1966年には企業の名称を「ザポロージエ機械製作設計局『プログレース』(ZMKB『プログレース』)」に改称し、1994年にはオレクサンドル・イーウチェンコの名を冠してアカデミー会員A・G・イーフチェンコ記念ZMKB「プログレース」となりました。

提供する主なエンジン

「イーウチェンコ＝プロフレース」が提供するエンジンには、以下のような主要な機種が含まれています。

• - AI-10 - Yak-20
• - AI-4G - Ka-10
• - AI-14P - An-14、Yak-12、Yak-18
• - AI-14V - Ka-15、Ka-18
• - AI-20/K/D/M - An-8、An-10、An-32など
• - D-36 - Yak-42、An-72、An-74
• - D-18T - An-124

これらのエンジンは、航空機に搭載されることで性能を向上させ、さらなる技術革新を推進しています。特に「AI」という接頭語は、アレクサンドル・イーフチェンコのイニシャルを表しています。

近年の活動

最近では、同じくザポリージャに本社を構えるモトール・シーチ株式会社との協力体制を築き、産業の発展に寄与しています。これにより、最新技術の革新や効率的な生産体制が確立され、業界のニーズに応えています。

結論

「イーウチェンコ＝プロフレース」は、航空機用エンジンの設計・製造において重要な役割を果たしており、ウクライナの航空産業の発展に貢献しています。設立以来の技術革新の歴史を持つこの企業は、今後も多くの航空機の心臓部として、その存在意義を続けていくことでしょう。

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