アキュフェーズ

アキュフェーズ株式会社は、1972年に設立された日本の高級オーディオ機器メーカーです。本社を神奈川県横浜市青葉区に構え、創業者の春日仲一と二郎は、かつてトリオ（現JVCケンウッド）を設立した人物です。

創業当初の社名はケンソニック株式会社であり、トリオの海外ブランドであったケンウッドの「ケン」を社名に含んでいました。しかし、1982年に現在の社名であるアキュフェーズ株式会社に変更されました。ブランド名である「Accuphase」は、「accurate（正確・緻密）」と「phase（位相）」という二つの言葉を組み合わせた造語で、創業当初からこの名前が使われています。

アキュフェーズは、家庭用高級オーディオ機器、特に各種アンプ、プレーヤー、イコライザーに特化しており、高価格帯のピュアオーディオ製品を専門に扱っています。業務用オーディオ機器の製造も行っていますが、主な焦点は家庭用ハイエンド製品に当てられています。

アキュフェーズの製品は、全て本社工場で製造されています。一般的なライン生産方式とは異なり、小型の台車に製品を載せて各製造部門を巡るセル生産方式（分割方式）を創業時から採用しています。この方式により、各工程での責任が明確になり、高品質な製品作りを可能にしています。また、部品単位での性能検査に加え、最終出荷検査は別部門が担当しており、製品の性能に対する責任を明確にしています。

アキュフェーズはアフターサービスにも力を入れています。アンプ類は5年間、ディスクプレーヤーは3年間の保証を提供しています。さらに、生産終了品のパーツも可能な限り保管し、古いモデルであってもオリジナルパーツでの補修に対応できる場合があります。オーバーホール料金も明示されており、顧客が安心して製品を長く使えるよう配慮されています。過去には、岩手・宮城内陸地震の際に被災者に対して無償修理を提供するなど、社会貢献活動にも積極的に取り組んでいます。

以下に、アキュフェーズの主な家庭用製品ラインナップをまとめました。

プリアンプ

Cシリーズ：C-200からC-2300まで、多数のモデルが存在します。
DCシリーズ：DC-300、DC-330など。

パワーアンプ

Pシリーズ：P-300からP-4600まで、幅広いラインナップ。
Mシリーズ：M-60からM-6200まで、モノラルパワーアンプが中心。
Aシリーズ：A-100からA-48Sまで、純A級動作のモデルが特徴。

プリメインアンプ

Eシリーズ：E-202からE-800Sまで、多くのモデルがラインナップ。

CDプレーヤー/トランスポート

DPシリーズ：DP-80からDP-770まで、高度なメカニズムを搭載。

DAコンバーター

DCシリーズ：DC-81からDC-1000まで、デジタル音源の忠実な再生を実現。

チューナー

Tシリーズ：T-100からT-1200まで、高感度で安定した受信性能を提供。

チャンネルディバイダー

Fシリーズ：F-5からF-25Vまで、マルチアンプシステムの構築に貢献。
DFシリーズ：DF-35からDF-75まで、高精度な信号分割が可能。

イコライザー

G-18、DGシリーズ：アナログレコードの再生に不可欠なモデル。

MCヘッドアンプ/フォノイコライザー

C-7、Cシリーズ：アナログレコードの微細な信号を増幅。

安定化電源

PSシリーズ：PS-500からPS-1250まで、クリーンな電源供給を提供。

A&V関連

* CX-260、PX-600、VX-700、PX-650：オーディオビジュアルシステムに対応する製品。

アキュフェーズの製品は、その高い品質と信頼性から、世界中のオーディオファンに愛されています。精密な部品と丁寧な手作業によって作られた製品は、音楽の感動を最大限に引き出すことを目指しています。また、長年にわたり蓄積された技術力と、顧客を大切にする姿勢が、アキュフェーズのブランドを支えています。

アキュフェーズは、単なるオーディオ機器メーカーではなく、音楽を愛する人々のための、信頼できるパートナーとして、これからも高品質な製品を提供し続けるでしょう。

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