アキュラ・ARX-05

アキュラ ARX-05：栄光の歴史を刻んだレーシングマシン

アキュラ ARX-05は、北米のIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権の最高峰クラス、DPiクラスを席巻した名車です。ホンダ・パフォーマンス・ディベロップメント（HPD）と、フランスのレーシングカーコンストラクターであるオレカが共同で開発、製造されました。そのベースとなっているのはオレカ07という実績あるシャシーで、パワフルな心臓部には、ホンダが開発したJ35型をベースとした3.5リッターV6ツインターボエンジン、アキュラAR35TTを搭載しています。このエンジンは、以前「HR35TT」と呼ばれていたものを改名したものです。

ARX-05は、2018年、デイトナ24時間レースという世界的に有名な耐久レースで、チーム・ペンスキーと共に華々しくデビューを飾りました。その後、その圧倒的なパフォーマンスで、2019年シーズン、IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権で、ドライバーズ、チーム、そしてメーカーの3冠を達成。ゼネラルモーターズ以外のメーカーが、この選手権で総合優勝を果たしたのは、これが初めてのことでした。そして、勢いはとどまることを知らず、2020年シーズンもタイトル防衛に成功し、DPiクラスのすべてのチャンピオンシップを獲得するという偉業を成し遂げました。

しかし、チーム・ペンスキーとHPDのパートナーシップは2020年7月、2021年シーズンをもって終了することが発表されました。これにより、2021年シーズンからは、ウェイン・テイラー・レーシングとマイヤー・シャンク・レーシングの2チームが、それぞれ1台ずつARX-05を走らせることとなりました。

ARX-05は、その卓越した性能と、チーム・ペンスキー、そしてHPDの技術力の結晶として、モータースポーツの歴史に大きな足跡を残しました。その活躍は、数々のレースのハイライトとして記憶され、多くのファンを魅了し続けています。アキュラのブランドイメージを大きく向上させただけでなく、数々の技術革新にも貢献しています。

ARX-05の成功は、HPDとオレカの技術開発力の高さ、そしてチーム・ペンスキーの高いドライビングスキルと戦略眼の賜物です。その開発には、ホンダの長いモータースポーツの歴史と経験が活かされ、特にエンジン開発には、長年のF1参戦で培われた技術が惜しみなく注ぎ込まれました。

今後のモータースポーツシーンにおいて、ARX-05が持つ高い技術レベルと信頼性は、他のマシン開発の指標として、参考にされ続けるでしょう。そして、その栄光の歴史は、未来のレーシングカー開発にも大きな影響を与え続けることでしょう。

関連事項:

アキュラ ARX-01
アキュラ ARX-02
HPD ARX-03
HPD ARX-04b

外部リンク:

ACURA OFFICIAL WEB SITE
HONDA MOTORSPORTS ALMSシリーズ
ウェザーテック・スポーツカー・選手権
LE MANS SERIES OFFICIAL WEB SITE

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