アキュラ・ILX

Acura ILX (アイエルエックス)

Acura ILXは、本田技研工業が製造し、アキュラブランドで展開したセダン型の小型乗用車です。このモデルは、カナダ市場専用車両であったアキュラ・CSXの後継モデルとして、9代目ホンダ・シビックを基本に開発されました。ILXは2011年にコンセプトカーが北米国際オートショーで発表され、2012年に量産モデルがシカゴオートショーでお披露目されました。正式な生産開始は2012年4月23日で、オハイオ州のメアリズベル工場で行われました。

特徴と設計

ILXはシビックをベースにしていますが、ボディサイズは異なり、全長が伸び、全高は低く設計されています。また、ボンネットおよびフロントバンパービームにはアルミニウム合金が使用され、静音性が向上している点が特徴です。具体的には、遮音性の高いフロントガラスやサイドガラスの採用に加え、吸音材の追加が行われ、より静かな走行を実現しています。
さらに、剛性が強化されているほか、ステアリングシャフトの径を大きくし、ステアリングレシオをクイックに設定することで、運転の楽しさを向上させています。サスペンションには低フリクションブッシュを採用しており、全モデルに振幅リアクティブダンパーが標準装備されています。

エンジンとトランスミッション

エンジンには、5速ATモデルにはシビックよりも排気量の大きい2.0 L直列4気筒R20A型エンジンが搭載され、6速MTモデルにはシビックSiと同じ2.4 L直列4気筒K24Z型エンジンが使用されます。また、ハイブリッドモデルには、3代目シビックハイブリッドと共通の1.5 L直列4気筒LEA型が搭載され、113 PSの最大出力と172 N·mのトルクを発揮します。ハイブリッドモデルは、都市部での運転に適するようにスロットルセッティングが調整されており、燃費は39/38 mpg（EPA city/highway）です。

装備とオプション

ILXには、プレミアムパッケージとテクノロジーパッケージの2つのオプションが用意されています。プレミアムパッケージではアクティブノイズコントロールや8ウェイパワーシート、シートヒーター、HIDヘッドランプ、7スピーカーオーディオが含まれています。一方、テクノロジーパッケージは10スピーカーアキュラ/ELSサラウンドシステムやナビゲーションシステムが搭載されています。

マイナーチェンジ

2016年

2016年モデルではマイナーチェンジが行われ、エンジンは従来の2.0 Lからアースドリームテクノロジーを採用した直噴2.4 L直列4気筒に変更され、最高出力が152 PSから204 PSに引き上げられました。また、トランスミッションには新たに8速DCTが採用され、MTモデルは廃止されました。ボディは次世代の衝突安全ボディACEが採用され、LED Jewel Eyeヘッドライトや最新のAcuraLink、AcuraWatchなどの装備が充実しました。

2018年

2018年には、フロントグリルが新デザインのダイヤモンドペンタゴングリルに変更され、テールライトも角張った形状に改良されました。インテリアは基本的に変更がないものの、一部モデルに新色が追加され、インフォテインメントシステムも30％の高速化が図られました。AcuraWatchはすべてのモデルに標準装備となり、ILX A-Specではよりアグレッシブな外観が際立つ仕様が採用されています。

価格と市場

2019年モデルの価格は25,900ドルからと、前モデルよりも手頃になっています。ILXは、その静音性と走行性能、豊富な装備を持ち合わせた魅力的な小型セダンとして市場で評価されています。

まとめ

Acura ILXは小型セダンの中でも特に静寂性と技術の融合が特徴であり、安全性や運転の楽しさを重視した設計となっています。アキュラブランドの一員としての品質と性能を感じることができる一台です。

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