アキュラ・TL

アキュラTLの概要

アキュラTLは、本田技研工業が製造し、アキュラブランドの下で販売されていたセダン型の自動車です。1995年から2014年にわたって販売され、特に北米市場で高い人気を誇りました。最初のモデルがアキュラ・ビガーの後継として登場した後、TLはアキュラの主力モデルとしての地位を確立しました。2015年モデルからは、TLXという新しいモデルに移行しました。

初代（UA2/3型、1995-1998年）

アキュラTLの第1世代は1995年に導入され、先代のビガーのスタイルを引き継ぎつつも、より広い居住空間を考慮してサイズが拡大されました。このモデルは日本国内ではホンダ・インスパイアや初代ホンダ・セイバーとしても販売されました。搭載されていたエンジンは、ビガーから継承されたG25A型エンジンと、2代目ホンダ・レジェンドに搭載されていたC32A型エンジンの2種類です。

2代目（UA5型、1998-2003年）

1998年にはフルモデルチェンジが行われ、アメリカ・オハイオ州のメアリズビル工場で生産が開始されました。先代のFFミッドシップレイアウトが廃止され、新たに開発されたJ32A型エンジンが搭載されました。このエンジンは228psを発揮し、4速ATと組み合わされました。2002年には、標準モデルに加え、264psのエンジンを搭載した「Type-S」も登場しました。

3代目（UA6/7型、2003-2008年）

2003年9月には再びフルモデルチェンジが行われ、アキュラブランド専用モデルとなりました。この世代のTLは、先代と同じJ32A型エンジンを採用しつつ、トランスミッションは5速ATまたは6速MTから選択できるようになりました。2006年には「Type-S」モデルが追加され、こちらは286hpのJ35A型エンジンを搭載しています。アメリカ市場では高い評価を受け、2005年には年間販売台数が70,943台を記録しました。

4代目（UA8/9型、2008-2014年）

2008年には3度目のフルモデルチェンジが行われ、新たなデザインコンセプト「キーンエッジダイナミック」が取り入れられました。外観はアグレッシブさを強調しつつ、室内空間も広くなりました。エンジンは「TL」モデルが3.5L V6に対し、SH-AWDモデルは3.7L V6を搭載。さらに、SH-AWDには高性能四輪駆動システムが装備されています。こちらのモデルも、特に内装やサスペンションの仕様がアップグレードされており、快適な乗り心地を提供しました。2010年モデルには6速MTが追加され、運転性能も向上。2012年にはフェイスリフトも行われ、エクステリアとインテリアが洗練されました。

日本市場での販売

日本では初代および2代目TLがインスパイアおよびセイバーとして販売されていましたが、3代目および4代目は日本市場には導入されませんでした。北米での成功を背景に、アキュラTLは長年にわたり愛されるモデルとなりました。

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