ホンダ・セイバー

ホンダ セイバー

ホンダ セイバー（SABER）は、本田技研工業が生産した高級セダンであり、特にアメリカ市場に向けたモデルとして展開されました。このモデルはビガーの後継であり、2代目および3代目インスパイアの姉妹車としても知られています。

初代 セイバー（UA1/2/3型）

初代セイバーは1995年に登場しました。従来のビガーと同様にFFハードトップ仕様で、エンジンはフロントミッドシップに配置されています。このモデルは、先代のワイドでローなシルエットを受け継ぎつつ、アメリカ市場からの要望に応じてサイズをやや拡大し、居住性を向上させることを目指しました。また、アメリカではホンダの高級車ブランドアキュラによってアキュラ・TLとしても販売されました。

搭載エンジンには2.0LのG20A型と2.5LのG25A型があり、G25A型は「25G」と「25XG」でレギュラーガソリン仕様の180 PS、ハイオク仕様の190 PSで展開されました。1995年7月には、よりパワフルなV型6気筒のC32A型エンジンを搭載した「32V」仕様も追加され、これに伴いフロントセクションがレジェンドのシャシーを流用した専用設計となりました。これにより、全体的なサイズもわずかに大型化しました。インテリアも充実しており、自発光式のメーターや天然木パネルが採用され、質感が向上しました。

1996年には運転席と助手席のエアバッグ、ABSなどの安全装備が全車に標準装備され、カーナビも最新のVICS対応型へ更新されました。初代セイバーは1998年に生産を終了し、新車登録台数は2万2783台に達しました。

2代目 セイバー（UA4/5型）

その後、1998年に2代目セイバーがフルモデルチェンジを経て登場します。発売日は1998年10月23日で、姉妹車であるインスパイアとほぼ同じタイミングで市場に投入されました。生産はアメリカのオハイオ州で行われ、逆輸入の形を取っています。このモデルでは、全高がわずかに高くなったものの、ボディサイズは先代とほぼ同等です。ただし、剛性は大幅に改善されています。

エンジンには新開発のJ25A型とJ32AのV型6気筒エンジンが搭載され、直列5気筒エンジンは廃止されました。トランスミッションは4速ATからマニュアルシフトが可能な5速ATに変更され、燃費と加速性能が向上しました。グレード展開も多様で、225PSのJ32Aを搭載する「32V」、「25V」、ナビ付きの「25V-NAVI」という3つのグレードが展開されました。大きな相違点にはボディのフロントグリルデザインや車名エンブレムの色、アルミホイールのデザインが含まれます。

2001年にはマイナーチェンジが実施され、5速ATへの変更によりさらなる向上が図られました。最終的には2003年に4代目インスパイアの発売とともに生産・販売が終了しました。

車名の由来

セイバーという名前は、英語で「剣」を意味します。この名前には、「研ぎ澄まされた性能で、鋭く、誇り高き存在を目指す」という意図が込められています。

販売店

セイバーはベルノ店および2代目からはプリモ店でも販売されていました。

結論

ホンダ セイバーは、優れた走行性能と快適な居住性を兼ね備えた高級セダンとして、多くのユーザーに支持されました。特にアメリカ市場においてはアキュラブランドとしても展開され、ホンダの高級車としての役割を果たしました。

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