アギス3世

アギス3世について

アギス3世（紀元前？-331年）は、エウリュポン朝のスパルタ王であり、先王アルキダモス3世の子として誕生しました。彼は次代の王エウダミダス1世の兄でもあります。アギスは紀元前338年に王位に就くと、彼の治世中に数々の戦争と政治的動乱に直面しました。

王位就任と初期の動向

アギスが王位に就いたのは、カイロネイアの戦いが行われた日でした。この戦いでは、スパルタはマケドニアのフィリッポス2世に敗北し、スパルタの地位が危うくなっていました。彼はスパルタを再興しようと奮闘し、紀元前333年にはエーゲ海にてペルシアの指揮官ファルナバゾスやアウトプラダテスと接触しました。目的は、マケドニア王国に対抗するための援軍を受けることでした。

ギリシアでの反乱

同年、彼はギリシアにおいてマケドニアに対する反乱の支援を受け、イッソスの戦いの後に自身の計画を実行へと移しました。兄弟のアゲシラオスをクレタ島へ派遣し、紀元前331年にスパルタを中心とするギリシア諸国はマケドニアに対抗するために反乱を宣言しました。この動きは、主にトラキアの反乱を利用したものでした。

しかし、全てのギリシアの都市が彼の指導に賛同したわけではなく、アテナイなど一部の都市は不参加でした。アギスは軍を編成し、スパルタ軍に加え、イッソスの戦いでペルシア側に与したギリシア人傭兵約8000人、同盟軍を動員しました。総勢は歩兵20,000人、騎兵2,000人を超える規模に達しました。

メガロポリスの戦い

アギスは自ら最高司令官として戦いに臨み、マケドニア軍のコラゴスを破り、味方に協力しなかったメガロポリスを包囲します。しかし、マケドニアの将軍アンティパトロスがトラキアの騒乱を鎮圧した後、40,000以上の大軍を率いて救援に駆けつけました。両軍はメガロポリスで激しい戦闘を繰り広げましたが、マケドニア軍の数に圧倒されたアギス軍は敗北を喫しました。

この戦いでアギスは負傷しながらも奮闘し、最終的には討ち死にしました。彼の死はスパルタの反乱に決定的な影響を与え、その後スパルタはマケドニアに対する抵抗を失うこととなりました。

最後に

アギスは子を残さなかったため、王位は弟のエウダミダス1世が引き継ぐことになります。アギス3世の治世は、スパルタの運命を左右した重要な時期であり、彼の戦いとその影響は今日の歴史においても語り継がれています。

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