アクセスポイント (ISP)

アクセスポイントとは

アクセスポイントとは、かつて電話回線を用いてパソコン通信やインターネットサービスプロバイダに接続する際に利用された、ダイヤルアップ接続の接続先電話番号、またはその電話番号が設定された地域を指します。

ダイヤルアップ接続の時代

1980年代から1990年代末期にかけて、パソコン通信やインターネットへのアクセスは、主にアナログ回線やISDN回線などの一般的な電話回線を通じて行われていました。この際、利用者は自宅などから最寄りのアクセスポイントに電話をかけ、接続を確立していました。これは、電話回線を利用した通信の性質上、発信場所から近いアクセスポイントを利用することで、通信品質を確保し、接続料金を抑える目的がありました。

多くの地域では、一つの市外局番に2つから4つ程度のアクセスポイントが設置されていましたが、都心部など人口が多く、プロバイダの加入者が多い地域では、数十ものアクセスポイントが設置されることもありました。特に東京都23区、横浜市、川崎市、大阪市、尼崎市などでは、多くのアクセスポイントが利用されていました。

ブロードバンドの普及とアクセスポイントの変遷

2001年以降、ADSLやCATVなどのブロードバンドインターネット接続が普及し、ダイヤルアップ接続は急速に衰退しました。これに伴い、各地域に設置されていたダイヤルアップ接続用のアクセスポイントは廃止され、「全国共通アクセスポイント」と呼ばれる、距離に関係なく3分8～10円程度に設定された特別な電話番号に移行が進みました。

全国共通アクセスポイントへの移行は、利用者が接続先を意識する必要がなくなり、利便性が向上した一方で、テレホーダイなどの一部の料金割引サービスが適用できなくなるというデメリットも生じました。

アクセスポイントの役割の変化

かつてのアクセスポイントは、地域ごとの通信インフラを支える重要な役割を担っていましたが、ブロードバンドの普及により、その役割は大きく変化しました。現在では、無線LAN（Wi-Fi）のアクセスポイントや、携帯電話の基地局などが、通信の主要な接続点として利用されています。しかし、かつてのダイヤルアップ接続を支えたアクセスポイントの存在は、インターネットの歴史を語る上で欠かせないものと言えるでしょう。

関連情報

アクセスポイントの変遷を理解する上で、以下の情報も参考になります。

* ナビダイヤル: ナビダイヤルは、全国共通アクセスポイントと同様に、地域を問わず利用できる電話番号サービスです。しかし、ナビダイヤルは料金が異なり、情報提供サービスなどに使われることが多いです。


かつて、インターネットへのアクセスに欠かせなかったアクセスポイントは、技術の進化とともに姿を変えてきました。しかし、その歴史を知ることは、現代のインターネットインフラを理解する上で重要な意味を持つでしょう。

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