アクチエボラグ

アクチエボラグ：スウェーデンとフィンランドの有限責任会社

アクチエボラグ (Aktiebolag) は、スウェーデン語で有限責任会社を意味する言葉です。日本における株式会社とほぼ同等の概念で、スウェーデンやフィンランドの企業において広く用いられています。社名には「AB」 (スウェーデン)、「Ab」 (フィンランド) 、または古い表記として「A/B」が使用されます。

スウェーデンにおけるアクチエボラグ

スウェーデンでは、アクチエボラグは公開会社と非公開会社の2種類に分類されます。

公開会社 (Publikt Aktiebolag)

公開会社は、株式市場に上場できる会社です。法的には「AB (publ)」 (スウェーデン)、「Abp」 (フィンランド) と表記されます。最低資本金は50万クローナ (約660万円) と高く設定されており、より厳格な規制が適用されます。ただし、会社登録局によると、場合によっては「(publ)」の表記を省略できる場合もありますが、会社が有限責任会社であることが分かりにくい場合は省略すべきではありません。

非公開会社 (Privat Aktiebolag)

非公開会社は、株式市場に上場しない会社です。最低資本金は2.5万クローナと、公開会社に比べて低く設定されています。公開会社には使用できない「privat」または「prv」という単語を社名に含めることはできません。

スウェーデンのアクチエボラグを規定する主要な法律は、会社法 (Aktiebolagslagen (ABL) 2005:551) と有限会社条例 (Aktiebolagsförordningen 2005:559) です。これら法律では、親会社と子会社は別個の法人格を持つことが明確に規定されています。

スウェーデンのアクチエボラグの例

スウェーデンを代表する多くの企業がアクチエボラグとして存在しています。その中には、ゲーム開発で知られるEA Digital Illusions CE AB、通信機器大手のEricsson AB、データベースシステムのMySQL AB、ゲーム開発のMojang AB、音楽ストリーミングサービスのSpotify AB、トラックメーカーのScania ABなどが含まれます。また、略称を用いた社名として、SSAB AB (旧Svenskt Stål AB)、HIAB (Hydrauliska Industri AB)、ESAB (Elektriska Svetsnings-Aktiebolaget)、LKAB (Luossavaara-Kiirunavaara Aktiebolag)なども挙げられます。

フィンランドにおけるアクチエボラグ

フィンランドでもアクチエボラグという用語は使用されますが、フィンランド語のosakeyhtiöと併用されることが多く、どちらの用語を優先するか、あるいは並べる順番によって、企業で使用されている言語を示唆する傾向があります。

まとめ

アクチエボラグは、スウェーデンとフィンランドにおいて重要な企業形態です。公開会社と非公開会社の違い、資本金、表記方法などを理解することで、これらの国々の経済や企業構造をより深く理解することができます。

もう一度検索