アグアルディエンテ

アグアルディエンテは、主にコロンビアで親しまれている蒸留酒で、スペイン語とポルトガル語で「燃える水」という意味を持ちます。これは、そのアルコール度数の高さと、口に含んだ時の刺激を表現したものです。南米においては、蒸留酒全般を指す言葉としても用いられます。

アグアルディエンテは、主にサトウキビを原料として作られる無色透明の蒸留酒です。アルコール度数は一般的に25度から30度程度で、比較的安価に入手できるため、コロンビアでは非常に人気があります。アニスの香りが特徴的なものが多いですが、アニスを使用しないプレーンなタイプも存在します。

コロンビアでは、アグアルディエンテを小さめのグラスに注ぎ、ストレートで飲むのが一般的です。地域によって風味や味わいが異なり、それぞれの土地の個性が反映されたアグアルディエンテが造られています。アグアルディエンテは、コロンビアの文化に深く根付いており、祭りや祝い事など、様々な場面で楽しまれています。

また、アグアルディエンテはカクテルの材料としても使用されます。有名なカクテルの一つに「エル・ドラケ」があります。エル・ドラケは、アグアルディエンテ、砂糖、ライム、ミントを混ぜて作る爽やかなカクテルです。

エル・ドラケは、16世紀後半にイギリスの海賊、リチャード・ドレイクによってキューバに伝えられたという説があります。その後、エル・ドラケで使用されていた酒をラム酒に代えて作られたものが、現在世界中で愛されているカクテル「モヒート」の原型になったとも言われています。アグアルディエンテは、コロンビアだけでなく、世界のカクテル文化にも影響を与えているのです。

アグアルディエンテは、その多様な風味と手軽さから、コロンビアの人々にとってなくてはならない存在です。ストレートで味わうもよし、カクテルとして楽しむもよし、様々なシーンでその魅力を発揮するアグアルディエンテは、コロンビアの文化を象徴するお酒と言えるでしょう。

もう一度検索