アサヒドーカメラ
株式会社アサヒドーカメラは、かつて愛知県名古屋市を中心に展開していたカメラ量販店運営会社です。創業当初は学校や企業向けの販売が中心でしたが、後に一般消費者向けの販売にシフトしました。最盛期にはカメラだけでなく、ビデオカメラ、パソコン、携帯電話、オーディオ機器、時計なども取り扱っていました。
1954年に名古屋駅前で創業したアサヒドーカメラは、当初、学校、企業、役所などを主な販売先としていました。1968年に中区矢場町に移転した際、現金仕入れと現金販売による低価格路線に転換しましたが、従来の顧客からの売り上げ減少を招きました。その後、1985年のプラザ合意による円高を機に、逆輸入した高級一眼レフカメラを格安で販売する戦略が功を奏し、売り上げが急増しました。さらに、新聞広告と連動したユニークなテレビCMを放送することで、知名度を飛躍的に向上させました。
1987年1月には法人改組を行い、カメラに加えてビデオカメラやワープロも取り扱うようになりました。13坪という狭い店舗ながら、店員一人当たり、単位面積当たりの売上高は日本一を誇りました。1999年11月11日には中区栄三丁目へ移転し、オープンは「平成11年11月11日11時」というユニークな時間に行われました。壁面が黄色一色で塗られた店舗は、周囲でも異彩を放っていました。
顧客へのサービスとして、通常1年が一般的なメーカー保証期間に対し、自社独自の「3年保険」や「5年保険」といった手厚いサービスを提供していました。競合他社であるウォッチマンやトップカメラが県外にも進出していた時期がありましたが、アサヒドーカメラは県外への進出は行わず、名古屋市内とその近郊に店舗を展開していました。
名古屋本店の他にナディア南店と岡崎店の3店舗を展開した時期もありましたが、ナディア南店は「名古屋本店カラープリント館」にリニューアル後、本店本館に吸収され、岡崎店は2007年7月31日に閉店しました。
2010年4月3日に店舗を縮小し、クラシックカメラを主体に扱う業態へとリニューアルオープンしました。同月28日には同じビル内に音楽スタジオ「スタジオアサヒドー」をオープンし、外観もカラフルに変化しました。その後、旧売り場であった1階にはブランドショップが入居し、2階のみが売り場となっていました。
2018年7月20日をもって、アサヒドーカメラとスタジオアサヒドーは閉店しました。同年11月30日に登記上の所在地が変更され、その後、2023年11月29日には登記記録が閉鎖され、会社は解散しました。
アサヒドーカメラのテレビCMは、「店員は無愛想だがカメラは安い」といった強烈なキャッチコピーで有名です。美宝堂のCMと並び、中京圏を代表するローカルCMとして広く知られていました。円高による利益増を背景に、節税対策としてテレビCMを開始したという逸話があります。「矢場町・パルコ西 アサヒドーカメラ」というフレーズは、多くの人に記憶されています。
CMの放送エリアは東海三県に限られていましたが、当時無名だった柴田理恵と久本雅美を起用したバージョンや、政治家の浜田幸一を起用したバージョンは、全国ネットのワイドショーや雑誌でも取り上げられました。
また、若い女性が「パパ」にアサヒドーカメラの製品を買ってとねだる「ミカとパパの物語」シリーズCMは、女性差別的であるというフェミニスト団体からの抗議を受け、放送中止となったという出来事もありました。
2000年代までは新作CMが次々と作られていましたが、2010年代に入ってからは目立った新作は作られず、放送頻度も激減しています。
カメラはどえりゃ〜安いでよ：柴田理恵と久本雅美が出演するバージョンで使われたコピー。
ニシニヨイパパ、パパパヤ〜：アサヒドーカメラ本店の電話番号を視聴者に覚えてもらうためのコピー。
イ〜カナイ〜カン、イカナイカン、イカナイカナイカン：中京地方の方言「行かないかん」をかけたフレーズ。
今金中夕（こんきんちゅうゆう）：今週金曜日の中日新聞夕刊に広告を出す告知。
今土中朝（こんどちゅうちょう）：今週土曜日の中日新聞朝刊に広告を出す告知。
アンポンターン、安本丹：安さに本気の丹心を込めるという意味。
ヤパニアカ：ヤバチョウパルコ二'シアサヒドーカメラの意。
テレビCMで使用された歌をCD化したものも販売されました。SABA'S（サバッツ）というユニットが歌っており、つボイノリオが曲中にセリフを入れています。発売元はアサヒドーカメラで、価格は777円でした。
収録曲は以下の通りです。
1. イカなIKAN!'96（歌入り）
2. イカなIKAN'96（メロオケ+コメント）
3. イカなIKAN'96（オケのみ）
社長の後藤寿美は、@FM（FM愛知）の番組「大人の栄ミナミde猫まねき」でパーソナリティを務めていました。
岩田憲明『名古屋の元気な会社101社 名古屋の先進中小企業に学ぶ経営ノウハウ』明日香出版、1995年。ISBN 4870308061。
* 公式サイト（ウェブアーカイブ） （日本語）
沿革
1954年に名古屋駅前で創業したアサヒドーカメラは、当初、学校、企業、役所などを主な販売先としていました。1968年に中区矢場町に移転した際、現金仕入れと現金販売による低価格路線に転換しましたが、従来の顧客からの売り上げ減少を招きました。その後、1985年のプラザ合意による円高を機に、逆輸入した高級一眼レフカメラを格安で販売する戦略が功を奏し、売り上げが急増しました。さらに、新聞広告と連動したユニークなテレビCMを放送することで、知名度を飛躍的に向上させました。
1987年1月には法人改組を行い、カメラに加えてビデオカメラやワープロも取り扱うようになりました。13坪という狭い店舗ながら、店員一人当たり、単位面積当たりの売上高は日本一を誇りました。1999年11月11日には中区栄三丁目へ移転し、オープンは「平成11年11月11日11時」というユニークな時間に行われました。壁面が黄色一色で塗られた店舗は、周囲でも異彩を放っていました。
顧客へのサービスとして、通常1年が一般的なメーカー保証期間に対し、自社独自の「3年保険」や「5年保険」といった手厚いサービスを提供していました。競合他社であるウォッチマンやトップカメラが県外にも進出していた時期がありましたが、アサヒドーカメラは県外への進出は行わず、名古屋市内とその近郊に店舗を展開していました。
名古屋本店の他にナディア南店と岡崎店の3店舗を展開した時期もありましたが、ナディア南店は「名古屋本店カラープリント館」にリニューアル後、本店本館に吸収され、岡崎店は2007年7月31日に閉店しました。
2010年4月3日に店舗を縮小し、クラシックカメラを主体に扱う業態へとリニューアルオープンしました。同月28日には同じビル内に音楽スタジオ「スタジオアサヒドー」をオープンし、外観もカラフルに変化しました。その後、旧売り場であった1階にはブランドショップが入居し、2階のみが売り場となっていました。
2018年7月20日をもって、アサヒドーカメラとスタジオアサヒドーは閉店しました。同年11月30日に登記上の所在地が変更され、その後、2023年11月29日には登記記録が閉鎖され、会社は解散しました。
CM
アサヒドーカメラのテレビCMは、「店員は無愛想だがカメラは安い」といった強烈なキャッチコピーで有名です。美宝堂のCMと並び、中京圏を代表するローカルCMとして広く知られていました。円高による利益増を背景に、節税対策としてテレビCMを開始したという逸話があります。「矢場町・パルコ西 アサヒドーカメラ」というフレーズは、多くの人に記憶されています。
CMの放送エリアは東海三県に限られていましたが、当時無名だった柴田理恵と久本雅美を起用したバージョンや、政治家の浜田幸一を起用したバージョンは、全国ネットのワイドショーや雑誌でも取り上げられました。
また、若い女性が「パパ」にアサヒドーカメラの製品を買ってとねだる「ミカとパパの物語」シリーズCMは、女性差別的であるというフェミニスト団体からの抗議を受け、放送中止となったという出来事もありました。
2000年代までは新作CMが次々と作られていましたが、2010年代に入ってからは目立った新作は作られず、放送頻度も激減しています。
キャッチコピーの一例
カメラはどえりゃ〜安いでよ：柴田理恵と久本雅美が出演するバージョンで使われたコピー。
ニシニヨイパパ、パパパヤ〜：アサヒドーカメラ本店の電話番号を視聴者に覚えてもらうためのコピー。
イ〜カナイ〜カン、イカナイカン、イカナイカナイカン：中京地方の方言「行かないかん」をかけたフレーズ。
今金中夕（こんきんちゅうゆう）：今週金曜日の中日新聞夕刊に広告を出す告知。
今土中朝（こんどちゅうちょう）：今週土曜日の中日新聞朝刊に広告を出す告知。
アンポンターン、安本丹：安さに本気の丹心を込めるという意味。
ヤパニアカ：ヤバチョウパルコ二'シアサヒドーカメラの意。
CD
テレビCMで使用された歌をCD化したものも販売されました。SABA'S（サバッツ）というユニットが歌っており、つボイノリオが曲中にセリフを入れています。発売元はアサヒドーカメラで、価格は777円でした。
収録曲は以下の通りです。
1. イカなIKAN!'96（歌入り）
2. イカなIKAN'96（メロオケ+コメント）
3. イカなIKAN'96（オケのみ）
その他
社長の後藤寿美は、@FM（FM愛知）の番組「大人の栄ミナミde猫まねき」でパーソナリティを務めていました。
参考文献
岩田憲明『名古屋の元気な会社101社 名古屋の先進中小企業に学ぶ経営ノウハウ』明日香出版、1995年。ISBN 4870308061。
外部リンク
* 公式サイト（ウェブアーカイブ） （日本語）
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