アザディ・スタジアム

アザディ・スタジアム

アザディ・スタジアム（ペルシア語: استاديوم آزادی‎、英語: Azadi Stadium）は、イランの首都テヘランに位置する大型スタジアムです。このスタジアムは、1974年のアジア競技大会のために建設され、公式な収容人数は78,116人です。また、このスタジアムは「アザディ・スポーツ・コンプレックス」の一部として、多様なスポーツ施設を揃えています。具体的には、サッカー練習場、重量挙げ、水泳、バレーボール、フットサル場などが併設されています。

スタジアムはテヘランの中心から西へ約13キロの距離にあり、標高は1,274メートルです。このような立地条件から、観客は周囲の美しい山々を望みながら試合観戦を楽しむことができます。特に1997年11月21日に行われた1998 FIFAワールドカップの大陸間プレーオフでは、128,000人もの観客が詰めかけ、このスタジアムの歴史的な瞬間の一つとなりました。しかし、40年以上の歴史を持つこの施設は老朽化が進んでおり、観客席の一部は閉鎖されています。

スタジアム名の「アザディ」は、ペルシア語で「自由」を意味しています。テヘラン市内には、「自由」をテーマにしたアーザーディー広場やアーザーディー・タワーなど、関連した名称の施設が点在しています。アザディ・スタジアムでは、イラン代表のサッカーの国際試合が行われるほか、ペルシアン・ガルフ・プロリーグに参加するペルセポリスFCとエステグラルFCの本拠地としても利用されています。

もともと、パフラヴィー朝のモハンマド・レザー・パフラヴィーを記念してアーリヤーメヘル・スタジアムと呼ばれていましたが、イラン革命を経て現在の名称に変更されました。スタジアムのバックスタンドには、イランの初代最高指導者であるルーホッラー・ホメイニーと、二代目最高指導者のアリー・ハーメネイーの写真が掲示されており、イランの政治的歴史を象徴する場所ともなっています。

アザディ・スタジアムは、試合の際に女性客の入場が宗教的な理由から制限されています。そのため、観客は男性が中心となり、特異な雰囲気を醸し出しています。ただし、2005年3月25日のFIFAワールドカップ・ドイツ大会のアジア最終予選では、日本からの女性サポーターが特別に入場を許可され、スカーフを着用する条件のもとで試合を観戦しました。

このように、アザディ・スタジアムはイランにおけるスポーツや文化の重要な象徴であり、今後も多くの歴史的なイベントがここで行われることでしょう。

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