モハンマド・レザー・パフラヴィー

モハンマド・レザー・シャー・パフラヴィーの生涯と影響

モハンマド・レザー・シャー・パフラヴィー（1919年10月26日 - 1980年7月27日）は、イランのパフラヴィー朝第2代目であり、最後の皇帝です。彼は1941年から1979年まで在位し、「白色革命」と呼ばれる近代化改革を推進しましたが、最終的にはイラン革命によって失脚しました。

皇太子時代と教育

モハンマド・レザー・シャーは、テヘランでレザー・ハーンの長子として生まれました。父の即位に伴い皇太子となり、その後スイスの寄宿学校で教育を受けました。この学校では同世代から信頼を受け、多くの友人を得ました。

第二次世界大戦と即位

第二次世界大戦中、イランはドイツに傾倒し、連合国による侵攻を受けました。その結果、父のレザー・シャーは退位し、モハンマド・レザーが皇帝として即位しました。彼は父の政策を引き継ぎながら、改革を推進しました。

結婚と家庭

モハンマドは結婚を重ね3人の妻を持ちましたが、いずれも結婚生活には問題がありました。最初はエジプト王女と、次にバフティヤーリー族の貴族と結婚しましたが、最終的にはイラン軍の一員の娘と再婚しました。

近代化と白色革命

1951年、モハンマド・レザーは石油国有化を進めるモサッデク首相と対立しました。CIAやMI6による支援を受けて、クーデターを実施し、モサッデクを失脚させました。その後、彼は一党制を敷き、経済成長を目指した開発独裁体制を築きました。特に、白色革命を通じて教育や女性の権利向上を推進しましたが、宗教指導者たちとの対立を引き起こしました。

政治的対立と世俗化

彼の世俗化政策は、イスラム法の支持者や保守派の反発を招きました。1962年には市民権拡大も試みましたが、強い抵抗に遭い法改正が撤回されました。ホメイニーの反体制運動が高まった結果、政権は不安定になりました。

国威の発揚と華やかな祭典

1971年には、ペルセポリスで建国2500年祭を盛大に開催し、「イラン・ナショナリズム」を鼓舞する試みを行いました。しかし、この費用は莫大で、批判も集まりました。また、キュロスのシリンダーを国際連合に贈呈するなど国家の威信を高める努力があり、彼自身の名声を図りました。

政権の動揺と革命へ

1970年代中盤のオイルショックによって政策は破綻し、経済格差と政治弾圧への不満が高まりました。陸軍と皇帝親衛隊の対立が激化し、最終的に1979年のイスラム革命に繋がります。

亡命と晩年

革命後、モハンマドは一時的にイランを脱出し、その後はエジプトに移りました。テヘランのアメリカ大使館占拠事件により、アメリカとの関係も悪化しました。彼は1980年にカイロで亡くなり、エジプトとイランの断交を見ながら最後を迎えました。

人物と後世への影響

多趣味な皇帝として知られ、ヨットや高級車を愛用しました。イランの近代史において、彼の政策は国の運命を大きく変えましたが、その結果、国民の間での分裂を引き起こし、イラン革命へと繋がったことは否定できません。彼の死後、家族は様々な道を歩んでいますが、モハンマド・レザー・シャーの影響は今もなお議論されています。

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