アシュモア・カルティエ諸島

アシュモア・カルティエ諸島について

アシュモア・カルティエ諸島は、オーストラリア北西部に位置するインド洋、ティモール海に浮かぶ無人島です。アシュモア礁、ミドル島、イースト島、ウェスト島、カルティエ礁の3つのサンゴ礁から構成され、オーストラリア連邦の海外領土となっています。

地理と環境

諸島はオーストラリア本土から遠く離れており、最も近いダーウィンからも790kmの距離があります。無人島ですが、ウェスト島には自動気象観測所が設置されています。

アシュモア礁は、この地域で唯一植物が自生する場所であり、多様な生物が生息する重要な環境です。特に、タイマイ、アカウミガメ、アオウミガメなどのウミガメの産卵地として知られています。また、ウミヘビ、ジュゴン、海鳥、軟体動物、ナマコなど、様々な海洋生物の生息地にもなっています。そのため、一帯のサンゴ礁、海草の草地、藻場、潮間帯の砂地、干潟、ラグーンは生態学的に非常に重要な場所となっています。

歴史

18世紀以前から、インドネシアの漁師たちがこの海域を利用していました。1800年にはイギリスのカルティエ号のナッシュ船長がカルティエ礁を発見し、船名にちなんで命名。1811年には、イギリス海軍のハイバーニア号のサミュエル・アシュモア船長がアシュモア礁を発見し、当初はハイバーニア岩礁と名付けられましたが、後に船長の名前にちなんでアシュモア礁となりました。

1850年代にはアメリカの捕鯨船がアシュモア礁で活動し、リン鉱石の採掘も行われていました。1878年にアシュモア礁はイギリス領となり、その後、アメリカとの間で領有権を主張し合う時期もありましたが、1909年にカルティエ礁と共にイギリス領に統合されました。1933年にはオーストラリア領となり、1938年から1978年まではノーザンテリトリーの管理下に置かれました。

保護区としての指定

1983年にアシュモア岩礁国立保護公園が設立され、1985年には自然保護区に指定されました。2002年には、アシュモア岩礁国立保護公園がラムサール条約登録地となり、国際的にも重要な湿地として認められました。

インドネシアとの関係

オーストラリア政府は、インドネシアの漁師が伝統的にこの海域で漁を行ってきたことを認めており、協定を結んでいます。しかし、乱獲が問題となったため、オーストラリア政府はインドネシアの漁を監視するようになりました。20世紀半ばには、オーストラリアとインドネシアの間で、インドネシアの伝統的な漁師の権利に関する協定交渉が行われ、公認されました。

その他

アシュモア・カルティエ諸島の周辺海域では、海底油田の開発も行われています。オーストラリア政府は、この地域の石油資源の抽出を管理しています。

オーストラリア海軍と空軍は、定期的にこの地域を訪れ、状況の確認などを行っています。

外部リンク

Department of the Environment and Heriage―Ashmore Reef National Reserve （英語）
Carter Island Marine Reserue （英語）
* Geoscience Australia―Ashmore and Cartier Islands （英語）

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