アジアパシフィックラリー選手権

アジアパシフィックラリー選手権について

アジアパシフィックラリー選手権（APRC）は、国際自動車連盟（FIA）の監視下で行われるラリー選手権の一つで、アジアとオセアニア地域を中心に展開されます。この選手権は1988年に設立されて以来、多くの国々が参加し、地域のラリー競技の発展に寄与してきました。

概要

APRCは世界ラリー選手権（WRC）の傘下にある地域ラリー選手権の一つとして位置づけられており、ヨーロッパラリー選手権（ERC）や中東ラリー選手権（MERC）などと同様に重要な役割を果たしています。特に、日本、中国、マレーシア、インドといったアジア諸国や、ニュージーランド、オーストラリアなどのオセアニア諸国から多くの選手が参加します。

日本からは歴史のある選手たちが数多く優勝を飾っており、中でも篠塚建次郎や藤本吉郎、田口勝彦が総合王者に輝いています。また、近年ではキャロッセが運営するクスコ・ワールドラリーチームが注目されており、活躍を見せているところです。さらに、ラリー北海道ではAPRCと全日本ラリー選手権（JRC）が共に開催され、多くのドライバーがスポット参戦の機会を持っています。

また、欧州からの参戦も少なくなく、著名なドライバーがWRCと並行して参加するケースも見受けられます。2019年からはアジアカップとパシフィックカップの成績上位者が集まり、グランド・ファイナルで優勝者がチャンピオンとなる新たな形式に変更されました。

レギュレーション

APRCの競技はWRCに非常に近いスタイルを持っていますが、通常のWRCが3日間で行われるのに対し、APRCは基本的に2日間で進行します。競技クラスには、グループRに基づくR5、R4、スーパー2000、グループNのNR4、AP4車両などの4WD車両が含まれます。

特に注目されるのは、アジアパシフィック各国のASN（自治体のスポーツ当局）が認めた車両が参戦できるという点です。このため、ニュージーランドやオーストラリア、日本のJAFの規定に沿った車両が参加することが可能です。また、ジュニアチャンピオンシップやチームアワードといった賞典も用意されており、若手ドライバーの登竜門ともなっています。

ポイントシステムについては、総合順位に応じたポイントがWRCと同様に設定され、加えて各レグごとの成績に基づくポイントも与えられることで、デイリタイア条件でもポイントを獲得できる柔軟性があります。

歴史

1988年の創設以来、APRCは様々な形式への変更を経験しています。1996年にはマニュファクチャラーズ部門やグループN部門、2輪駆動部門が開始され、2008年にはアジアカップとパシフィックカップが誕生しました。30周年を迎える2018年には、これまでの歴史を振り返る重要な年となりました。

アジアパシフィックラリー選手権は、今後も地域のラリー文化と競技者たちの成長のために重要な役割を果たし続けることでしょう。

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