アスペクト (企業)

株式会社アスペクト：出版事業の変遷と終焉

株式会社アスペクト（Aspect Corporation）は、かつて存在した日本の出版社です。本社は東京都台東区にありました。

アスキーとの関係とゲーム関連事業

アスペクトは、設立当初、(旧)アスキーの子会社として、主に『ファミ通』関連の書籍や雑誌の販売を担っていました。アスキーが編集制作したゲーム攻略本などを、取次会社を通じて販売する役割を担い、アスキーの出版事業を支えました。

1985年にビジネス・アスキーとして設立後、1991年に株式会社アスペクトに商号変更。1990年代には、ファンタジー文芸雑誌『LOGOUT』から派生したログアウト冒険文庫や、アダルトゲーム雑誌『E-LOGIN』、『TECH GIAN』などを創刊し、出版事業を拡大しました。1998年には、ゲームノベライズ作品を扱うファミ通ゲーム文庫とログアウト文庫を統合し、ファミ通文庫を創刊しました。

2000年、アスキーのグループ再編に伴い、雑誌、ゲーム攻略本、ファミ通文庫などの事業がエンターブレインに譲渡され、アスペクトはゲーム関連事業から一般書籍中心の出版社へと転換しました。

セガ傘下から独立、そしてデジタルメディアへ

2002年、旧アスキーグループがユニゾンキャピタルに買収されたことを機に、アスペクトはグループを離脱し、セガ傘下となりました。その後、2004年にセガグループから独立し、独自の道を歩み始めます。

独立後は、出版事業に加え、デジタルメディア事業にも注力しました。2005年には、Webサイト「アスペクトONLINE」をリニューアルし、EC機能を強化。2007年には、電子書店アスペクトをオープンし、デジタルコンテンツの販売を開始しました。2008年には、デジタルメディア事業部門を分社化し、アスペクトデジタルメディア株式会社を設立。ランキングデータ比較サイト「ランキング ニッポン」や、B2B向けのDRMソリューション「電子書店アスペクトコンテンツデリバリーシステム」などを展開しました。

晩年と破産

晩年は、雑誌『猫ぐらし』やフリーペーパー『PR誌アスペクト』などを発行していました。しかし、2023年3月、株式会社アスペクト・エス・ピー・シーとともに破産手続きを開始。連帯保証人となっていた西和彦も破産を申し立てられました。長年にわたる出版事業は、ここに幕を閉じることとなりました。

アスペクトは、出版業界の変遷の中で、アスキーの子会社としてゲーム関連書籍の販売を担い、その後、一般書籍、デジタルメディアへと事業領域を拡大していきました。しかし、最終的には破産という形で終焉を迎え、その歴史に幕を閉じました。

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